日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
103 巻 , 6 号
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総説
  • 坂井田 功
    2006 年 103 巻 6 号 p. 607-614
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/05
    ジャーナル フリー
    肝再生のもとになる幹細胞としては,肝細胞が一番適しているが,人における肝細胞移植では肝機能回復には至らず,また胚性幹細胞は基礎研究で肝臓に移植すると,肝腫瘍の発生が報告されており,人への応用には時間がかかると予想される.このような背景から肝幹細胞として骨髄細胞が注目されている.少なくとも病的状態(肝障害時)では,骨髄細胞が肝細胞になることは多くの報告から,間違いないものと考えられる.しかし,骨髄細胞が単独で分化(transdifferentiation)するのか,あるいは骨髄細胞が肝細胞と融合(fusion)して,肝細胞の機能を発揮するかについては,議論の分かれるところである.骨髄細胞の中でも造血系幹細胞あるいは非造血系(間葉系)幹細胞やその他の細胞群が,肝細胞の幹細胞なのかについても結論に至っていない.しかしながら,既に一部では骨髄細胞を用いた再生医療が臨床応用されており,肝幹細胞として骨髄細胞は有力な候補の一つであることには違いないと考える.
今月のテーマ;C型肝炎の移植
  • 市田 文, 森 広樹, 菊池 哲, 阿部 哲史, 石川 雅邦, 村上 ロミ, 成田 諭隆, 小川 薫
    2006 年 103 巻 6 号 p. 615-625
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/05
    ジャーナル フリー
    欧米では2000年以降,C型肝炎ウイルス(HCV)陽性の肝移植レシピエントの成績が急速に悪化してきた.その理由として,ドナーの高齢化,免疫抑制剤の種類,副腎皮質ホルモン剤によるパルス療法の増加,生体肝移植などが挙げられている.実際に,欧米でのHCV陽性レシピエントは術後の重症型肝炎を筆頭に,短期間での肝硬変への進展などが報告されているが,果たして生体肝移植を主体とするわが国のHCV陽性レシピエントでも同じようなことがいえるのであろうか.われわれの症例と欧米の症例を比較し,何が異なり,どこが同じかを論じ,今後のHCV陽性レシピエントに対する治療の困難性に関しても言及する.
  • 菅原 寧彦, 幕内 雅敏
    2006 年 103 巻 6 号 p. 626-630
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/05
    ジャーナル フリー
    2004年1月より生体肝移植の保険適応疾患が拡大され,成人症例での生体間肝移植の需要が増加してきている.特に,C型肝炎ウイルスを背景とした肝硬変症例の増加が著しい.ウイルス陰性症例と同等な術後成績を期待するには,C型肝炎ウイルスのコントロールが重要である.再発·再燃症例に対してはペグインターフェロンとリバビリンとの併用を行う.その他,術後早期に胆汁鬱滞型肝炎を併発症例があり,予後不良である.持続陰性化率が低いことや,副作用の問題から,予防投与に関してはコンセンサスが得られていない.
症例報告
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