日本消化器病学会雑誌
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症例報告
肝動脈瘤破裂により腹腔内出血をきたした結節性多発動脈炎の1例
寺岡 均竹内 一浩櫻井 克宣新田 敦範
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2006 年 103 巻 6 号 p. 650-654

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抄録

症例は39歳,女性.腹痛を主訴に当院救急搬送,同日腹腔内出血の診断で試験開腹術施行した.術中腹腔内には大量の血液貯留および総肝動脈には部分的に発赤をともなう動脈瘤がみられ全身性の血管炎が疑われた.後日腹部血管造影を施行,肝·腎·腰動脈等の中小動脈に多数の小動脈瘤を認め結節性多発動脈炎(PN)と診断した.PNは全身の中小動脈に発生する血管炎であるが,腹腔内出血を来す例はまれであり示唆に富む症例と考えられた.

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© 2006 (一財) 日本消化器病学会
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