日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
食道つかえ感にて発症し,食道から小腸に広範な病変を認めた好酸球性胃腸炎の1例
平島 詳典喜多嶋 和晃杉 さおり香川 浩一村上 和成藤岡 利生熊本 俊秀
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 104 巻 5 号 p. 660-665

詳細
抄録

症例は75歳,男性.主訴は胸のつかえ感.著明な末梢血好酸球の増多,IgEの上昇を認め,CTでは食道,回腸末端部の壁肥厚,腹水を認めた.上下部消化管内視鏡検査では所見に乏しかったが,生検にて食道,胃,小腸に好酸球浸潤を認め,好酸球性胃腸炎と診断した.prednisolone(PSL)の経口投与にて胸部症状,画像所見の改善を認めた.本邦において本例の如く食道炎を主体とした好酸球性胃腸炎の報告は少なく,貴重な症例と考えられた.

著者関連情報
© 2007 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top