2007 年 104 巻 5 号 p. 690-697
症例1は68歳女性,症例2は46歳男性.ともにHCCの精査加療目的に当科入院となった.肝硬変の原因は血液検査などからは不明であった.しかしおのおの26年前に肝生検施行歴あり,それらの見直しによりNASH(症例1)および脂肪肝(症例2)からNASH関連肝硬変(いわゆるburned-out NASH)へ進行し,HCCを発症したことが示唆された.原因不明肝硬変にburned-out NASHが含まれていること,また脂肪肝およびNASHの長期経過を知る上でも示唆に富む症例と考えられ報告する.