日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:肝硬変症の病態と最新治療
門脈圧亢進症の病態と最新治療
國分 茂博
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2008 年 105 巻 11 号 p. 1588-1596

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抄録

肝硬変症では8割に門脈圧亢進症が存在し,黄疸を除き肝性脳症など症状のほとんどは肝不全因子(肝細胞機能不全)と門脈因子により病態が成り立っている.最新治療としてのトピックスは門脈圧を40%下げるAngiotensin II Receptor Blockadeの登場であり,肝線維化抑制にも期待がかかる.D-dimerを指標とした門脈血栓溶解にはDanaparoid NaとAT-3製剤の併用が望まれる.孤立性胃静脈瘤に対する本邦発のB-RTOは,肝性脳症から異所性消化管静脈瘤,ICG低下目的と適応拡大傾向にある.近年PSEは,血小板の著明低下がIFN治療開始を妨げている慢性C型肝炎に施行される機会が増えている.

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© 2008 (一財) 日本消化器病学会
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