2008 年 105 巻 8 号 p. 1178-1185
今回,重症度判定基準が大幅に改訂され,CT Gradeは単純CTではなく,造影CTによるGrade分類が採用された.また,重症度を判定する上で造影CT Gradeは必須項目ではなく,臨床徴候や血液生化学検査を中心とした予後因子のみでも重症度が判定できる.しかし,重症化が予想される急性膵炎症例では重症度の判定における造影CTの有用性が高く評価されており,可及的に実施すべきものであろう.造影CT Gradeは膵の造影不良域の大きさと炎症の膵外進展度の2つの因子の組み合わせからカテゴリー分類を行うものであるが,これまでの検証では,造影CT Gradeと重症度,死亡率との相関は良好であり,臨床の現場での活用が期待される.