2008 年 105 巻 8 号 p. 1174-1177
現行の急性膵炎重症度判定基準は,策定から10年が経過し,治療成績の向上や,スコアリングシステムの複雑性から,改定の必要性が求められ,2004年から改定作業が進められてきた.その結果,このたび最終改定案が発表され,近く実施の運びとなっている.新しい重症度判定基準(案)では,重症症例がこれまでの約半数に絞り込まれ,より重症な患者群となっている.一方,これまで重症として,搬送や抗菌薬予防投与などの対象となってきた患者群が,軽症として取り扱われることとなる.動注療法の適応の変化や,感染性合併症の頻度など,今回の重症度判定基準(案)の適応後の,臨床像の変化に今後注目してゆく必要がある.