日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:消化管悪性腫瘍に対する分子標的療法の現状と問題点
大腸癌に対する分子標的療法の現状と問題点
津田 享志中島 貴子朴 成和
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2011 年 108 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

大腸癌の治療成績は分子標的治療薬も加わり,飛躍的に伸びている.またbio-markerの発見などにより,治療選択の幅が広がりつつある.conversion therapyとしての治療法,また延命治療としての維持療法の治療法の選択は,それぞれ違う観点で重要である.どのラインでどの薬剤を使用するべきか.bevacizumabを1次治療に併用する場合の殺細胞性抗がん剤はoxaliplatinとirinotecanのどちらを選択するべきか.1次治療にbevacizumabを併用した場合,2次治療においてもbevacizumabを継続するべきか.bevacizumabの1,2次治療,同じ抗EGFR抗体であるcetuximabとpanitumumabの1,2,3次治療のエビデンスからの薬剤の使い分けはまさしく個別化治療であり,現在進行中の検証試験により明確なものとなることが予想される.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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