日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
破骨細胞型巨細胞をともなった十二指腸上行部原発と考えられた悪性腫瘍の1例
平野 敦之土田 研司中村 誠足立 和規稲垣 佑祐山川 慶洋河合 宏紀木村 吉秀妹尾 恭司小杉 伊三夫勝見 康平
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2011 年 108 巻 10 号 p. 1705-1711

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抄録

症例は76歳,男性.十二指腸上行部に腫瘍を認め,同部からの生検では未分化な異型細胞に混在し,核異型がない多核巨細胞を認めた.免疫組織学検討により破骨細胞型巨細胞(OGC)をともなった間葉系由来の未分化な悪性腫瘍と考えられた.OGCは種々の癌や肉腫に出現することがあるが,その頻度は非常にまれである.これまでにOGCをともなった十二指腸原発の悪性腫瘍は報告されておらず,極めて貴重な症例と思われた.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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