日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
膵管破綻による膵液漏出に対し膵管ステント留置が有効であった膵体部癌の1例
平本 圭一郎黒木 実智雄中野 絵里子菅野 奈々松村 吉史三浦 敦司菊地 義文平川 秀紀松田 幹夫
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2011 年 108 巻 4 号 p. 650-657

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抄録

79歳男性.腹痛で近医を受診し急性膵炎が疑われて当院に紹介となった.CTで明らかな急性膵炎の所見を認めず,膵周囲の滲出液貯留と体部に径約8mmの不整な造影不良域を認めた.ERPで膵体部に主膵管狭窄と造影剤漏出を認め,膵管ステント留置が奏効した.その後CTで膵体部の腫瘤が明瞭化しEUS-FNAで膵癌と診断した.膵管破綻や膵液漏出の成因として,膵癌の可能性を念頭におき,膵管ステント留置などを試みるべきと考えられた.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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