日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
症例報告
慢性特発性寒冷凝集素症に合併した上腸間膜動脈閉塞症の1例
廣野 玄窪田 智之船越 和博渡辺 卓也長谷川 勝彦曽我 憲二柴崎 浩一
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2011 年 108 巻 5 号 p. 791-798

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抄録

64歳男性.以前より寒冷凝集素症と診断され,冬季になると四肢末梢のチアノーゼやレイノー症状を自覚していた.これらの症状に加え,上腹部痛を繰り返すようになり来院.CTおよび腹部血管造影にて上腸間膜動脈閉塞症と診断され,寒冷凝集素症もその一因と考えられた.寒冷凝集素症は溶血性貧血の他,血球凝集による動脈閉塞症をきたすことがあり,腹痛を訴える場合には上腸間膜動脈閉塞症も念頭に置く必要があると考えられた.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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