化学療法の効果を切除標本から診断できた腺扁平上皮癌と低分化型腺癌の同時性多発胃癌の1例

渡辺 一正; 阿知波 宏一; 武藤 久哲; 荒川 直之; 青木 孝太; 久保田 稔; 石川 大介; 國井 伸; 後藤 啓介; 奥村 明彦

doi:10.11405/nisshoshi.109.408

症例報告

化学療法の効果を切除標本から診断できた腺扁平上皮癌と低分化型腺癌の同時性多発胃癌の1例

渡辺一正, 阿知波宏一, 武藤久哲, 荒川直之, 青木孝太, 久保田稔, 石川大介, 國井伸, 後藤啓介, 奥村明彦

著者情報

渡辺一正
愛知県厚生連海南病院消化器内科
阿知波宏一
静岡済生会総合病院消化器内科
武藤久哲
愛知県厚生連海南病院消化器内科
荒川直之
愛知県厚生連海南病院消化器内科
青木孝太
愛知県厚生連海南病院消化器内科
久保田稔
愛知県厚生連海南病院消化器内科
石川大介
愛知県厚生連海南病院消化器内科
國井伸
愛知県厚生連海南病院消化器内科
後藤啓介
愛知県厚生連海南病院病理診断科
奥村明彦
愛知県厚生連海南病院消化器内科

キーワード: 腺扁平上皮癌, 低分化型腺癌, 同時性多発胃癌, 化学療法, 感受性

ジャーナルフリー

2012 年 109 巻 3 号 p. 408-417

DOI https://doi.org/10.11405/nisshoshi.109.408

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抄録

症例は60歳男性．胃体上部に2型低分化型腺癌，胃体下部に3型腺扁平上皮癌が存在する同時性多発胃癌を認めた．S-1+シスプラチンによる化学療法を施行後に胃全摘術が施行された．摘出標本を検討した結果，低分化型腺癌部においては腫瘍細胞が消失していたが，腺扁平上皮癌部においては抗腫瘍効果がほとんど認められず，腺癌成分と腺扁平上皮癌成分では化学療法に対する感受性が異なっていることが組織学的に確認できた．

責任著者(Corresponding author)

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