日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:NAFLDの診療・研究のupdate
NAFLDの疫学と病態のupdate
小川 祐二今城 健人米田 正人中島 淳
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 111 巻 1 号 p. 14-24

詳細
抄録

NAFLD/NASHは世界中において増加している.また,NAFLDにおけるNASHの占める割合は従来の想定よりも多いと報告されるようになり,肝硬変や肝細胞癌,他にも心血管疾患を引きおこすNASHを的確に抽出し,線維化の進行を予防することは急務とされている.近年では小児科領域においても最も頻度の高い肝疾患となっており注意を要する.NAFLD/NASHは環境因子と遺伝因子が複雑に絡み合う疾患であり,さまざまな検討が行われている.環境因子としては,肥満および運動不足を背景とした内臓脂肪蓄積によるインスリン抵抗性が病態の中枢を担い,糖尿病や脂質異常症などが複雑に絡み合う.さらには,食事の構成成分の関与も報告されている.遺伝因子としては,GWASでの解析からPNPLA3のSNPの関与が報告されている.

著者関連情報
© 2014 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top