結腸癌に対する腹腔鏡下手術は,創が小さく術後疼痛が軽減することや,腸蠕動の回復が良好で早期の経口摂取が可能となるなど従来の開腹手術に比べて侵襲が少ないとされる.一方,直腸癌に対しては,腫瘍が深く狭い骨盤腔内に存在しworking spaceが限られるため,直線的な鉗子操作のみで行われる腹腔鏡下手術では難易度が高いとされていたが,デバイスの進歩などとともに徐々に普及しつつある.また最近では,直腸癌領域においてロボット支援下手術が行われるようになってきており,3D視野効果や,多関節鉗子による自由度の高い操作性により,より繊細で正確な手術が可能となっている.