日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻 , 11 号
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総説
  • 杉原 健一
    2014 年 111 巻 11 号 p. 2089-2095
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2014/11/05
    ジャーナル フリー
    直腸癌治療の問題点として,①手術技術の習得に時間がかかる,②局所再発の抑制,③肛門括約筋温存の基準,④肛門括約筋温存術後の排便障害への対応,⑤cT1下部直腸癌の治療方針,⑥局所切除後pT1と診断された直腸癌の追加治療の基準,⑦直腸癌に対する腹腔鏡手術の有効性の検証,などが挙げられる.②に関しては,欧米では術前補助化学放射線療法後に直腸間膜全切除を行う治療が標準であり,日本では側方郭清をともなう肛門側2cmまでの直腸間膜切除が標準である.いずれの治療法においても局所再発率は10%以下である.今後は,術後の機能障害が極力少ない治療法,遠隔転移再発を抑える補助療法の開発が期待される.
今月のテーマ:直腸癌治療の最前線
  • 小田島 慎也, 藤城 光弘, 小池 和彦
    2014 年 111 巻 11 号 p. 2096-2104
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2014/11/05
    ジャーナル フリー
    消化管癌に対する内視鏡治療は,その適応を満たす病変に対して適切な切除を行えば根治性の高い手技である.さらに直腸癌に対しては,その低侵襲性だけでなく,外科的切除によっておこりうる肛門機能障害や自律神経障害などの問題を回避できるため,内視鏡治療の有効性は高く,その臨床的意義は大きい.内視鏡治療の中心となる手技は,ポリペクトミー,内視鏡的粘膜切除術,内視鏡的粘膜下層剥離術であるが,その適応はそれぞれの手技によって異なるため,内視鏡医は,術前内視鏡診断によって得られた情報を基に,それぞれの手技のメリット,デメリットを考慮しつつ,治療法を選択していく必要がある.
  • 柴田 淳一, 石原 聡一郎, 西川 武司, 田中 敏明, 田中 潤一郎, 清松 知充, 畑 啓介, 川合 一茂, 野澤 宏彰, 金沢 孝満, ...
    2014 年 111 巻 11 号 p. 2105-2112
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2014/11/05
    ジャーナル フリー
    結腸癌に対する腹腔鏡下手術は,創が小さく術後疼痛が軽減することや,腸蠕動の回復が良好で早期の経口摂取が可能となるなど従来の開腹手術に比べて侵襲が少ないとされる.一方,直腸癌に対しては,腫瘍が深く狭い骨盤腔内に存在しworking spaceが限られるため,直線的な鉗子操作のみで行われる腹腔鏡下手術では難易度が高いとされていたが,デバイスの進歩などとともに徐々に普及しつつある.また最近では,直腸癌領域においてロボット支援下手術が行われるようになってきており,3D視野効果や,多関節鉗子による自由度の高い操作性により,より繊細で正確な手術が可能となっている.
  • 金光 幸秀, 志田 大, 塚本 俊輔, 落合 大樹, 小森 康司, 森谷 冝皓
    2014 年 111 巻 11 号 p. 2113-2120
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2014/11/05
    ジャーナル フリー
    直腸癌局所再発に対して,唯一根治が期待できる治療は外科的な完全切除(R0)であるが,骨盤全摘や仙骨合併切除などの過大な侵襲をともなう手術がしばしば必要となり,QOLの観点からも術前にR0手術が期待できるような症例でなければ手術を行うべきではない.集学的治療の恩恵もR0手術を得てこそ期待されるが,そのためには治癒切除率を上げ,術後の遠隔転移を抑制するという2つの目的をかなえる必要がある.術前画像を用いた局所再発巣のtypingは,術後の癌遺残や遠隔転移の高危険群の抽出に役立つ可能性があり,このような分類を利用した集学的治療によって,さらなる治癒切除率の向上が期待される.
原著
  • 木村 佳起, 松本 啓志, 大澤 元保, 藤田 穣, 垂水 研一, 鎌田 智有, 塩谷 昭子, 春間 賢
    2014 年 111 巻 11 号 p. 2121-2130
    発行日: 2014/11/05
    公開日: 2014/11/05
    ジャーナル フリー
    大腸CT検査による大腸腫瘍の診断と脂肪面積測定を行い,大腸腫瘍と肥満の関連性について検討を行った.内視鏡診断をもとに,無病変群40名,腺腫性ポリープ群41名,早期癌群21名,進行癌群21名の4群に分類した.無病変群と比較して,腺腫性ポリープ群の内臓脂肪面積,内臓脂肪指数が有意に高値であり,多変量解析で有意差を認めた.早期癌群は内臓脂肪面積,内臓脂肪指数が有意に高値,血清TNF-αが有意に低下しており,多変量解析で有意差を認めた.進行癌群は,血清TNF-αが有意に低下しており,多変量解析で有意差を認めた.大腸CT検査は大腸腫瘍の診断のみならず,その危険因子である内臓脂肪型肥満の評価も可能である.
症例報告
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