2014 年 111 巻 12 号 p. 2263-2271
消化器から発生する神経内分泌腫瘍(NET)は原発部位や内分泌症状の有無,遺伝性の有無などによりさまざまなサブカテゴリーに分けられる.微小な腫瘍でも内分泌症状を発現することがあり,通常の画像検査のみでは局在診断に苦慮することがある.また,遺伝性NETでは多発を念頭に置いた診断が必要である.症状が発現していてもNETによるものと疑われないまま,長期にわたり機能性NETと診断されない場合がある.内分泌症状に応じた負荷試験により鑑別診断を行うこと,SASI testやソマトスタチン受容体シンチグラフィーなどの膵消化管NETに特有の局在診断法を利用して,診断・治療を進めることが重要である.