神経内分泌腫瘍(NET)に対する治療の第一選択は外科切除であるが,NETの病態は不均質で経過もさまざまであるため,外科切除の適応およびその術式は,発生臓器,悪性度(グレーディング)や進行度に基づく転移・再発リスク評価,遺伝性疾患合併の有無など,さまざまな要素に基づき決定されねばならない.原発巣に対する切除術式は,carcinomaに対する術式と同様のリンパ節郭清をともなう定型切除から,低リスク症例を選別して縮小手術を行う方向へ向かっている.一方,遠隔転移,ことに肝転移をともなう症例には予後改善のため有効な集学的治療の開発が求められており,外科切除を効果的に行うことが予後の延長に貢献すると考えられる.