メトトレキサート髄腔内投与が著効した肝細胞癌脳室播種の1例

抄録

症例は78歳，男性．C型慢性肝炎に合併した肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓術後の経過中に，小脳転移を併発した．サイバーナイフ治療により小脳転移は縮小するも，脳室内に多発性の結節性病変，造影効果をともなう脳室壁の不整な肥厚が出現し，肝細胞癌の脳室播種と診断した．腰椎穿刺によるメトトレキサートの髄腔内投与を合計14回行ったところ，脳室内の結節性病変，脳室壁の肥厚は消失し，著効が得られた．