日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ:クローン病診療における画像診断・内視鏡診断の活用法
クローン病におけるカプセル内視鏡の意義と課題―適正使用に向けて―
渡辺 憲治細見 周平野口 篤志湯川 知洋鎌田 紀子山上 博一富永 和作渡辺 俊雄藤原 靖弘根引 浩子荒川 哲男
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2015 年 112 巻 7 号 p. 1259-1269

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抄録

既存の画像診断などで確定診断困難な小腸型クローン病(CD)の確定診断にカプセル内視鏡(CE)は有用で,transition of the small bowel lesion(TSL)はCDに特異的なCE所見である.今後,CD早期診断のためには縦走潰瘍の定義変更を検討する必要がある.大腸病変に比べ症状やCRP値と相関が乏しいCD小腸病変は,各種画像診断の特性を生かして客観的にモニタリングすることが診療の最適化に重要で,パテンシーカプセルの適正使用に基づいたCEは,低侵襲で有用な疾患活動性モニタリング法である.現存するCD内視鏡スコアには課題があり,汎用性のある新たな内視鏡スコアの開発が期待される.

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© 2015 (一財) 日本消化器病学会
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