2017 年 114 巻 9 号 p. 1593-1601
肝細胞癌のスクリーニングは腹部超音波検査と腫瘍マーカーの測定から始まる.各種画像検査で典型的所見を呈する場合は確定診断が可能であり,組織検査の必要はない.腫瘍マーカー(AFP,PIVKA-II,AFP-L3分画)の上昇を認めた場合は画像検査を追加する.新規腫瘍マーカーはいくつか報告があるものの,実臨床で使用されるには至っていない.肝特異的造影剤を使用したGd-EOB-DTPA造影MRIにより早期診断が可能となった.また,腫瘍マーカー,画像検査ともに存在診断のみならず悪性度・分化度の診断にも有用である.