2018 年 115 巻 12 号 p. 1030-1036
近年の内視鏡イメージング技術の発展により,大腸病変の内視鏡診断は飛躍的に発展した.しかし同時に,高精度の診断はエキスパート内視鏡医しか実現できないという,ジレンマが明らかになりつつある.このような内視鏡診断能力の限界に対する,革新的な解決策として注目をあびているのが人工知能による内視鏡診断支援システム(computer-aided diagnosis;CAD)である.本稿では内視鏡CADの研究開発の現状について概観した後,医工産官連携プロジェクト(代表研究者:工藤進英)として研究を進めているEndocyto(=520倍ズームの超拡大内視鏡)を用いた内視鏡CADの発案・医師主導研究・薬機法承認申請の取り組みについて紹介する.