2019 年 116 巻 2 号 p. 123-128
本邦では食道癌患者の半数以上が外科手術を受けており,食道癌治療の中心的な役割を果たしている.しかし,食道癌の手術は他の消化器癌手術に比べ侵襲が大きく,術後合併症の発症頻度が高いため,手術成績の施設間格差が大きいと報告されている.最近ではリンパ節郭清範囲やアプローチ法(内視鏡手術),切除後の再建方法など,治療成績および安全性の向上に向けての試みがなされてきているが,定型化するに足りるエビデンスが少ないのが現状である.今後,治療成績の向上および均てん化に向けてエビデンスを発信していくことが重要である.