日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ(総説):転移性肝癌を治す
神経内分泌腫瘍肝転移を治す
工藤 篤赤星 径一田邉 稔
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2019 年 116 巻 9 号 p. 724-731

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抄録

米国のSEER databaseによれば,神経内分泌腫瘍(NEN)の遠隔転移の生存期間は原発臓器によって異なり,たとえば結腸原発では中央値で5カ月とされている.また2007年の全国集計では,膵NENの発症年齢は50歳代と若く,初診時に遠隔転移を4割に認め,その5年生存率は39%と報告されている.当時は使用できる薬物がなく,進行病期においては減量手術が全盛であった.しかしながら,2011年以降に分子標的療法を含む新しい薬物が次々と保険適応になり,治療戦略のパラダイムシフトがおきた.今後は現在当院で治験を行っている放射線内用療法(PRRT)を含め,さらに治療選択が広がっていくことが予想される.

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© 2019 (一財) 日本消化器病学会
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