大阪府下の当院の地域連携医療機関のうち診療所484施設を対象に,医療関係者に対するB型肝炎(HB)ワクチン接種,HBs抗体検査の実施状況に関するアンケート調査を行った.「医療者のためのワクチンガイドライン」の認知率は30.1%,HBワクチン接種の実施率は38.9%,HBs抗体検査の実施率は38.9%であった.針刺し事故は42.5%の医療機関で経験があったが,対応が不十分な医療機関があった.HBワクチン接種,HBs抗体検査の実施率が低いことは,B型肝炎感染対策に関するガイドラインの認識不足によるものと思われ,地域医療機関に対して,B型肝炎感染対策に関する情報提供や啓発活動を行うことにより,診療所における感染対策の状況を改善する可能性がある.