上部消化管腫瘍(咽頭・食道・胃・十二指腸)に対する内視鏡診断は先進的診断内視鏡の開発により飛躍的に向上し,特に本邦で開発されたnarrow-band imaging(NBI)やBlue LASER Imaging(BLI),Linked Color Imaging(LCI)などのシステムにより早期発見・早期治療が可能となり,近年ではAIによる内視鏡診断の報告も散見される.さらに内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)や腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery;LECS)などの低侵襲治療も本邦から開発され,安全かつ先進的な内視鏡診断と治療方法が確立されてきている.ただし,各々の臓器において内視鏡診断と治療方法の選択に関してはいまだ課題は残されており,今後の更なる臨床研究の成果が期待される.