2021 年 118 巻 4 号 p. 296-302
総胆管結石症の治療は外科治療からはじまったが,現在は内視鏡による治療が主である.胆囊結石を合併する場合,本邦では主に内視鏡による総胆管結石除去後に外科的胆囊摘出術を行ういわゆる二期的治療が施行されている.しかし急性胆管炎や急性膵炎が合併していたり,胆囊結石の有無など,さまざまな因子が関与し治療方針の決定は非常に複雑で,治療方法は個々の施設の状況に依存することが多い.また最近EUS-guided biliary drainage(EUS-BD)などの技術が進歩し,これまで外科治療の適応であった大結石なども内視鏡による治療が可能なことがあり,内視鏡的治療の適応がさらに広まりつつある.ここでは,現在行われている治療方法のエビデンスを再評価し,標準的な治療方法を解説することとする.