日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
8年の経過を経て多房性からcyst in cyst構造を呈する単房性囊胞へと形態変化を認めた膵粘液性囊胞腺腫の1例
桃﨑 志保奈小嶋 啓之祖父尼 淳土屋 貴愛石井 健太郎田中 麗奈殿塚 亮祐永川 裕一山口 浩糸井 隆夫
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 118 巻 4 号 p. 340-347

詳細
抄録

症例は57歳女性.膵尾部に30mm大のぶどうの房状の多房性囊胞性病変を認め,定期的に画像検査を行ったところ,経時的に囊胞の数が増加・増大し,最終的に直径約50mmのcyst in cyst構造を呈する単房性囊胞へ形態変化した.腹腔鏡下脾合併膵尾部切除術を施行し,摘出標本では粘液性囊胞腺腫の診断となった.本症例の形態変化は非常にまれであり,その発生機序について病理学的考察をふまえて報告する.

著者関連情報
© 2021 (一財) 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top