2021 年 118 巻 9 号 p. 805-814
近年,International Consensus Panelより脂肪肝の新診断基準,metabolic dysfunction-associated fatty liver disease(MAFLD)が提唱された.飲酒量によって規定されるnon-alcoholic fatty liver disease(NAFLD)と異なり,MAFLDは,イベント発症や患者予後のリスクである肥満や糖尿病などの代謝異常を組み入れ基準としている.本稿では,現代の脂肪肝診療におけるNAFLDの問題点とMAFLDについて概説する.また,MAFLDとNAFLDの比較研究の結果についても合わせて論述する.