2022 年 119 巻 4 号 p. 310-320
悪性肝門部領域胆管閉塞に対する胆道ドレナージは,切除の可否にかかわらず経乳頭的が第一選択である.切除例であれば術前に内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(endoscopic nasobiliary drainage;ENBD)を予定残肝側の片葉へ留置する.一方,切除不能例であればプラスチックステントあるいはアンカバードタイプの金属ステントを留置する.片葉あるいは両葉留置の優越性については結論が出ていない.最近,筆者は肝門部領域胆管閉塞用にENBDと胆管内留置用のinsideステントを一体化した2 in 1ステントを開発した.切除あるいは切除不能例や急性胆管炎例に対する新たな方法として注目されつつある.本稿では,悪性肝門部領域胆管閉塞に対する胆道ドレナージの実際について解説する.