2022 年 119 巻 4 号 p. 302-309
悪性遠位胆道閉塞に対する術前胆道ドレナージとして,内視鏡的胆道ドレナージが推奨されている.また,術前化学療法を行う症例においては,開存期間が長く,reintervention時に抜去が可能なcovered self-expandable metallic stent(CSEMS)が望ましい.切除不能症例に対する胆道ステントとしてもCSEMSが第一選択として推奨されているが,CSEMSのrecurrent biliary obstruction(RBO)低減,合併症予防は十分ではなく,CSEMSの欠点であるsludge閉塞およびmigration対策が急務とされている.留置したステントはいつか必ず閉塞することを念頭に,各種ステントの特徴を理解し,reinterventionの方針までを踏まえて症例に応じた選択を行うことが重要である.