2022 年 119 巻 8 号 p. 721-732
膵炎後の膵局所合併症に対して,感染合併例や有症状例は侵襲的治療を要する.まずはドレナージを行い,効果が不十分であればさらに侵襲が大きい治療を追加していくstep-up approachが推奨されている.中でも,超音波内視鏡下ドレナージと内視鏡的ネクロセクトミーによる経消化管的治療を主軸とした内視鏡的step-up approachの良好な治療成績が報告されている.専用大口径ステントが本邦でも保険収載され,さらなる治療成績の向上が期待されている.しかし,骨盤腔に及ぶような病変に対しては,内視鏡治療単独では限界もあり,経皮的治療や外科的治療の併用を検討すべきである.