日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
肝膿瘍治療中にメトロニダゾール脳症を発症し,不可逆的経過をたどった1例
宇佐美 佳恵宗像 紅里高橋 彩月金野 直言今井 雄史大川原 健廣澤 拓也青木 洋平柏村 浩仁平 武
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2023 年 120 巻 10 号 p. 858-867

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抄録

メトロニダゾール(MNZ)の長期服用により脳症を含めた神経障害をきたすことが知られている.85歳女性で肝膿瘍に対しMNZ内服開始後59日目に痙攣と意識障害が出現した.特徴的なMRI画像と病歴からMNZ誘発性脳症と診断しMNZ内服を中止したが,意識障害が続き誤嚥性肺炎を発症し永眠した.MNZ中止により神経症状は改善することが多いとされるが,不可逆的なこともあり投与の際は十分な注意を要する.

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© 2023 (一財) 日本消化器病学会
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