日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
エルトロンボパグ投与下に化学療法を継続して完全奏効をし得た免疫性血小板減少性紫斑病合併直腸癌の1例
田中 裕太郎黒田 裕行本間 慶一若木 邦彦
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ジャーナル 認証あり

2023 年 120 巻 10 号 p. 852-857

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抄録

症例は73歳男性.直腸癌術後再発に対しXELOX施行後,血小板減少の遷延を認め,化学療法を中断し当科へ紹介となった.骨髄検査で未熟巨核球とPA-IgGの上昇を認め,ITPと診断した.PSLにより血小板数は回復したが,直腸癌に対する化学療法の再開による血小板減少を考慮しエルトロンボパグを導入した.経時的にPA-IgGは低下し,血小板の減少なくFOLFIRIの継続が可能であり,直腸癌は完全奏効を得た.

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© 2023 (一財) 日本消化器病学会
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