2003 年 100 巻 1 号 p. 13-20
Gastrointestinal stromal tumor(GIST)が高頻度にc-kit遺伝子の機能獲得性突然変異を持つことは,GISTの発生・進展にc-kit遺伝子が関与していることを示し,c-kit遺伝子産物(KITレセプター)などのいくつかの分子マーカーがGISTとカハールの介在細胞(Interstitiai cells of Cajal;ICCs)に共通して発現していることは,GISTがICCs由来の腫瘍である可能性を示している.germ-lineにc-kit遺伝子の機能獲得性突然変異を持つ家系の患者にICCsの過形成を基盤とした多発性GISTがみられる事実は,2つの可能性を裏付けている,また,KITレセプター活性阻害薬がc-kit遺伝子変異を持つGIST患者に有効であることが明らかになりつつあり,この事実も前者の可能性を支持している.