日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
クローン病の抗TNF-α抗体による治療
松本 誉之押谷 伸英荒川 哲男
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2003 年 100 巻 1 号 p. 6-12

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抄録
クローン病は,栄養療法を中心として治療されていたが,TNF-αを分子標的とした抗体(Infliximab)による治療が本邦でも認可された.適応は,従来の治療に抵抗するクローン病であり,活動期に対しては5mg/kgの単回投与が,外瘻を有する症例に対しては,0,2,6週の3回投与が認められている.活動期例に対しては81%,外瘻に対しては68%と高い有効率が得られている.副作用としては,感染症があり,時に重篤化するのでX線や血液検査を行う.そのほかにinfusion reactionに注意が必要である.悪性腫瘍の発生率については,特に有意差がないと報告されているが,なお長期の観察が必要である.
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