1973 年 70 巻 2 号 p. 99-106
導光式フアイバーガストロスコープ (導光式FGS) による直視下生検法により, 萎縮性胃炎と年令との関係を検索し, あわせて導光式FGSによる萎縮性胃炎像について検討した. まず慢性胃炎を拡がりとして把握することを試み, 慢性胃炎の12点生検法を考案し, 萎縮性胃炎の頻度をその拡がりの程度によつて判定すると, 萎縮性胃炎は30才代から40才代にかけては主に胃幽門洞から胃体下部へ, 40才代から50才代以上にかけては主に胃体中部以上に進行すると考えられる成績を得た. さらに, 萎縮性胃炎の拡がりの程度と胃液分泌機能に相関を認めた.
又, 導光式FGSによる萎縮性胃炎像に再検討を加える必要のあることを認めた.