日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
70 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 早川 哲夫, 戸田 安士, 菊地 三郎, 野田 愛司, 中島 澄夫
    1973 年 70 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Blue Starch Polymer を用いた色素澱粉法ならびに Caraway 法により血清, 尿アミラーゼを測定し, 両測定法の特長を比較検討した. 対照群96例の血清アミラーゼの平均値 (M) ±標準偏差 (SD) は色素澱粉法で99.2±27.8CBU/100ml, Caraway 法では100.3±36.3u/100mlであつた. 対照群40例, 233検体の尿アミラーゼ時間排泄量のM±SDは色素澱粉法で149±59CBU/h, Caraway 法では131±53u/hであつた. いずれもM±2SDを正常範囲とした. 膵疾患例について血清および尿アミラーゼの異常率と異常度を両測定法で比較した. 血清アミラーゼの症例異常率, 異常度はそれぞれ色素澱粉法で62%, 2.45, Caraway 法で53%, 1.52であつた. 尿アミラーゼの異常率では両測定法間の差はないが, 異常度では色素澱粉法が大であつた.
  • 萎縮性胃炎
    高瀬 靖広
    1973 年 70 巻 2 号 p. 99-106
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    導光式フアイバーガストロスコープ (導光式FGS) による直視下生検法により, 萎縮性胃炎と年令との関係を検索し, あわせて導光式FGSによる萎縮性胃炎像について検討した. まず慢性胃炎を拡がりとして把握することを試み, 慢性胃炎の12点生検法を考案し, 萎縮性胃炎の頻度をその拡がりの程度によつて判定すると, 萎縮性胃炎は30才代から40才代にかけては主に胃幽門洞から胃体下部へ, 40才代から50才代以上にかけては主に胃体中部以上に進行すると考えられる成績を得た. さらに, 萎縮性胃炎の拡がりの程度と胃液分泌機能に相関を認めた.
    又, 導光式FGSによる萎縮性胃炎像に再検討を加える必要のあることを認めた.
  • 導光式フアイバーガストロスコープによる萎縮性胃炎の内視鏡的判定基準の再検討
    高瀬 靖広
    1973 年 70 巻 2 号 p. 107-116
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    第1報にて, あらたに導光式ファイバーガストロスコープ (導光式FGS) による萎縮性胃炎の内視鏡的判定基準に再検討を加える必要のあることを報告した.
    そこで, 慢性胃炎の12点生検法のうち, 胃体中部小弯, 胃幽門洞小弯および大弯の4部位をえらび, 導光式FGSによる萎縮性胃炎の内視鏡所見と生検所見を対比検討すると,胃体下部小弯における萎縮性胃炎を認めない症例の"柔かい均一微細顆粒像"などより詳細に検討することができ, あらたに腺組織の別を考慮した導光式FGSによる萎縮性胃炎の内視鏡的判定基準を部位別にさだめた.
  • 腸上皮化生
    高瀬 靖広
    1973 年 70 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性胃炎の12点生検法により, 加令と共に増加する慢性胃炎性変化の一つと考えられている腸上皮化生について萎縮性胃炎との関係およびその分泌機能の一端について考察を試みた.
    その結果, 慢性胃炎における腸上皮化生は萎縮性胃炎の程度と平行して出現し, かつ程度を増していくことが認められた. 又, 腸上皮化生中の杯細胞の占める比率 (杯細胞比) は, 60才以上の高年者群では59才以下の中年者群に比して低下している傾向が認められ, 表在性炎症性変化が存在するとさらに低下する傾向がある. そこで, 杯細胞は, 表在性炎症に際し粘液を分泌すると考えられ, 60才以上の高年者群の分泌機能低下を推測した.
  • 阿部 広介, 岩谷 昭雄, 小田桐 充孝, 張間 行直, 小館 昭示, 笹森 洋児, 久保園 善堂, 横山 義弘, 秋田 泰郎
    1973 年 70 巻 2 号 p. 124-138
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    秋田県および岩手県で手術された胆石標本を集計し, 統計学的検討を試みた. 1) 脂肪酸石灰石を3例発見した. 2) 胆石症手術例の人口10万人対年率を30と推定した. 3) 秋田県と岩手県全域においてはコレステリン系石とビリルビン石灰石は均等に存在したが, 郡市別ではコレステリン系石は岩手県の市部に, ビリルビン石灰石は秋田県と岩手県の山間地帯に多い事を知つた. 4) ビリルビン石灰石の多い地区は曽て, 回虫症の蔓延した地区に一致する事を確めた. 5) 年令分布の相対頻度において両県ともに著しい差はなく, 年令と共に等率増加を示した.
  • 春日 正照, 木村 幸三郎, 牧野 惟義, 外野 正己
    1973 年 70 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 荒川 泰行, 日野 邦彦, 桑名 斉, 大久保 仁, 具島 正倫, 細田 陽子, 加藤 昭, 結束 敬基, 藤田 実彦, 伊藤 新, 大野 ...
    1973 年 70 巻 2 号 p. 145-156
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Kohn の免疫拡散変法により各種疾患 779例について α-Fetoprotein の臨床的検討を行なつた結果, 原発性肝癌のみならず各種の病的状態においても検出されることが明らかになり, その特異性は否定的となつた. 殊に急性重症肝炎では70%の高頻度で α-Fetoprotein を認め, しかも発病当初においてもその出現が確認されたことは, α-Fetoprotein の産生機序を単に肝細胞の再生現象だけに帰するわけにいかないことを裏付けている. 更に α-Fetoprotein の消長は死亡群と生存群とにおいて明らかに異なつた態度を示し, 予後判定に重要な指標となりうる可能性がある. 一方 α-Fetoprotein と Australia 抗原との関係は, いずれの疾患の場合でも α-Fetoprotein 陽性例は陰性例に比し Australia 抗原の陽性率が高い傾向にある.
feedback
Top