1978 年 75 巻 8 号 p. 1160-1165
ラットを用いて, 食餌飼育条件に伴う血清 gastrin (G) および幽門前庭部粘膜内の immunoreactive gastrin (IRG) の変動を調べて以下の成績を得た.
(1) 低蛋白飼料投与群では幽門前庭部粘膜IRGは減少するが, 血清G値への影響は少なかつた.
(2) 一定期間にわたる絶食による血清Gおよび幽門前庭部粘膜IRG値への影響は, 両者の減少をもたらした.
(3) 摂食を自由にしたままの血清Gおよび幽門前庭部粘膜IRG値は, 検査前24時間絶食群に比較して両者共明らかに高値を示した.
以上より食餌摂取ならびに食餌内蛋白含有量が, G産生•貯蔵•放出面で極めて重要な役割を演ずるものと推測し, 考察を加えた.