日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Carcinoembryonic antigen(CEA)
各種定量法の比較と癌診断への応用
山口 希井上 頴樹小川 博正大見 甫木本 邦彦町野 満夫池内 秀夫竹内 覚林 恭平青池 晟赤坂 裕三川井 啓市
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キーワード: 二抗体法
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1979 年 76 巻 6 号 p. 1246-1251

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抄録

市販のCEA kit (France, CIS-CEA kit)を用いて悪性疾患,非悪性疾患および健常者の血清CEA値を測定し,以下に述べる知見を得た.
1) 二抗体法によるCIS-kitは検体量,手技,再現性などの点で他の市販のkitよりすぐれている.正常域は0~20ng/m1で20ng/ml以上を異常値とした.2) CEA測定は悪性疾患のみならず腸管や肝臓の炎症性疾患でも陽性を示しnon-specipcな検査である.悪性疾患群では37%に陽性であつたが,一方,良性疾患群では9%に陽性をみた.悪性疾患群では膵癌,大腸癌に高陽性率をみた.3) CEA測定による早期癌の診断は困難である.しかし臨床経過をよく反映し,悪性疾患の進展を明示してくれる.

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