日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃潰瘍における胃粘膜細胞動態の臨床的意義
星島 説夫
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キーワード: 胃潰瘍, 粘膜細胞動態
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1980 年 77 巻 11 号 p. 1733-1740

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抄録

正常胃,萎縮性胃炎,胃潰瘍における胃粘膜上皮細胞の増殖動態を3H-thymidine autoradiographyによる標識率で算定した.胃底腺,中間帯,幽門腺の胃内各部の粘膜では,中間帯の粘膜が最も高い値を示した.疾患別の比較では,萎縮性胃炎における粘膜の標識率が最高値を示した.潰瘍辺縁粘膜の標識率では活動期,治癒過程期ともに健常部粘膜より高い値が認められ赤色瘢痕期において最高値を示した.白色瘢痕期においても治癒後比較的早期では標識率が高く,3ヵ月以上経過したもので健常部と同じ値となつた.

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