日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
77 巻 , 11 号
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  • 石川 純, 成末 允勇, 大西 信行, 合地 明
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1705-1710
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    3症例より得られた1.3mmより15mmにおよぶ小さな胃Carcinoid 14病巣(m:3病巣,sm:11病巣)について組織像と内視鏡所見から,Carcinoidの発育進展様式について検討した.
    内視鏡にて確認し得たのは2mm以上の6病巣で,すべてsmに浸潤している.粘膜深層より発生したCarcinoidは早期にsmに浸潤し,初めは小さな粘膜挙上を示し,次第に半球状の隆起となり,中心にdelleを生じ,径5mmではbridging foldを呈し,粘膜下腫瘍の形態を示している.さらに増大すると潰瘍を形成し,転移も生じてくる.治療面では,内視鏡にて確認し得た段階で,すでにsmに浸潤し,しかもsmでリンパ節転移が認められたことより,胃癌に準じた広範な胃切除術が必要である.
  • 荒川 哲男, 中村 肇, 小林 絢三
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1711-1716
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Wistar系ラットの胃粘膜に含まれる各Prostaglandin (PG)量を測定し,さらに拘束水浸ストレスを負荷し,経時的に胃粘膜PGE2量の変動を検討するとともに.胃粘膜cyclic AMP (cAMP)量との関係についても検討し,次の成績を得た.A)ラット胃粘膜では各PG中PGE2,が最も高値を示した.B)ストレス負荷により,胃粘膜PGE2量は,粘膜病変発生前の初期に増加し,病変の発生する晩期に低下した.C)ストレス負荷初期には粘膜cAMPも増加しており,この増加cAMPはindomethacinで抑制された.以上の成績から.ラット胃粘膜では各PG中PGE2が重要で,ストレス潰瘍の発生には胃粘膜PGE2の低下が関与すると考えられた.また,PGE2はcAMPを介して作用する可能性が示唆された.
  • 今村 洋, 石沢 光郎
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1717-1724
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラット胃粘液分泌に対するPGE1の影響を検討すると共に,indomethacinおよび寒冷拘束潰瘍に対するPGE1の抗潰瘍作用について検討した.
    胃粘膜粘液量はalcian blue色素の結合量で測定した.PGE1(10μg/kg)の持続静注(1時間)は剥離粘膜の粘液量を14.2%,粘膜表面粘液量を16.7%増加した.
    Indomethacin経口投与および寒冷拘束によるラット胃は著明な急性粘膜障害を生じ,粘膜粘液量もそれぞれ17.8%,16.1%の減少を示した.しかし,同時にPGE1(10μg/kg)持続静注すると粘膜障害は著明に抑制され,粘液量の減少も抑制された.
    以上,酸分泌をほとんど抑制しない濃度のPGE1により胃粘液分泌亢進がみられた.またこの作用は,胃粘膜の保護作用を強め,その結果潰瘍形成が抑制されると推論した.
  • 白鳥 敬子
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1725-1732
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃,十二指腸潰瘍37例,Zollinger-Ellison症候群(ZES)1例を対象にセクレチン負荷試験を行い,血中ガストリンの反応性とその内視鏡的な潰瘍の病期(stage)とを比較検討した.胃,十二指腸潰瘍いずれも,active stageで負荷後血中ガストリンの上昇反応が認められ,scarstageでは抑制された.同一症例でも同じ結果が得られ,しかも投与したセクレチンの種類(Boots, Eisai, GIH)を問わなかつた.このように潰瘍のactive stageでは,一過性にZESと類似した血中ガストリンの反応が認められた.一方,著者の経験したZESでは,その潰瘍のactive stageで負荷後著明な血中ガストリンの上昇を認めたが,scar stageでは軽度の上昇に止まり,stageによる反応性の程度が異なると考えられた.
  • 星島 説夫
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1733-1740
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    正常胃,萎縮性胃炎,胃潰瘍における胃粘膜上皮細胞の増殖動態を3H-thymidine autoradiographyによる標識率で算定した.胃底腺,中間帯,幽門腺の胃内各部の粘膜では,中間帯の粘膜が最も高い値を示した.疾患別の比較では,萎縮性胃炎における粘膜の標識率が最高値を示した.潰瘍辺縁粘膜の標識率では活動期,治癒過程期ともに健常部粘膜より高い値が認められ赤色瘢痕期において最高値を示した.白色瘢痕期においても治癒後比較的早期では標識率が高く,3ヵ月以上経過したもので健常部と同じ値となつた.
  • 金山 隆一, 高田 昭, 根井 仁一
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1741-1745
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    われわれは,さきに高脂肪食がアルコール(Al)の長期投与によるAl代謝の亢進促進的に働くことを明らかにしてきたが,今回はこのAl代謝の亢進が脂肪肝自身に由来していないかどうか,さらにはAl代謝に食餌脂肪の質的差異がどのような影響を与えるかを検討した.コリン欠乏性脂肪肝,オロット酸脂肪肝ではいずれもAl代謝の亢進は認められず,食餌脂肪の質的差異についての検討では,コーン油を投与した群で軽度のAl代謝量の増加をみたが,それ以外の綿実油,ヤシ油投与群ではその増加は認められなかつた.
    以上のことから,脂肪肝それ自身はAl代謝の促進因子とはなりえず,さらに食餌脂肪の質的差異もA1代謝に大きな影響を与えず,高脂肪食によるAl代謝の亢進は食餌肪肪量の増加に起因していると考えられた.
  • 高桜 芳郎
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1746-1755
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    リンパ球をconcanavalin A (Con A)で刺激し,血清無添加の条件で培養すると,20μg/mlでは芽球化が抑制され,血清添加培養により抑制は解除され,その解除率は血清の種類により異なることから,rateassay法により血清中のリンパ球芽球化関与因子の新しい測定法を開発し,血清リンパ球芽球化率(SerumLymphocyte Blastogenesis Index; SLBI)として表わした.肝疾患64症例についてSLBIを検討すると,急性肝炎急性期には高値を示し,回復期には正常か低値を示し,慢性肝炎活動型および肝硬変ではGOT unstable群で上昇し,GOT stable群では正常値以下を示した.これら疾患のSLBIとGOTは有意な相関を示したが,HBsAgの有無とは相関がなかつた.この血清因子は56°C, 60分加熱により失活した.
  • 小坂 義種, 明田 昌三, 為田 靱彦, 高瀬 幸次郎, 萩原 正芳, 垣内 佐十志, 藤本 昌雄, 益田 洋一, 井戸 健一, 山田 昌信
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1756-1765
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    体質性ICG排泄異常症の10例を経験し,その臨床所見,血液生化学所見,ICGの血中消失曲線,肝への移行率,ICG結合蛋白および肝の微細構造などについて若干の考察を加xて報告する.症例は22歳から58歳迄の男子7例と女子3例である.KICGの平均値は0.019±0.0048.R15ICGは76.76±5.99と著しい排泄遅延がみられた.ICGの血漿から肝への移行率は0.0222±0.0054と強い取り入み障害が観察された.肝組織は3例が脂肪肝,1例が慢性肝炎活動型,6例は正常肝を示した.肝の微細構造の主要変化はlypofuscinの増加とmitochondriaの変化,reticulum fiberの増加などであり,肝の形態と,機能の結びつきをある程度解明しえた.
  • 船越 顕博, 山内 孝, 井 林博
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1766-1769
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵癌の酵素学的診断法を確立する目的で,DIPN 500mg/kgをgolden syrian hamsterの皮下に毎週注射することにより実験膵癌を作成した.実験膵癌の組織型は全て人膵癌類似のDuctal cell腺癌を示した.DIPN注射後,12,16,20,22,25週と経時的に採血し,血清中並びに膵組織中のRNase(Poly U, Poly C, Poly A, Poly G)を測定すると,全例膵癌の観察された25週にはPoly Uaseの上昇を認め,経時的なRNase測定により膵癌診断の指標となることが示唆された.
  • 中村 光男, 今村 憲市, 阿部 泰久, 宮沢 正, 武部 和夫, 菊池 弘明
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1770-1776
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    11例の慢性膵炎患者の十二指腸液中抱合胆汁酸及び,9例の膵炎患者の糞便中胆汁酸,水酸化脂肪酸を含む脂肪酸をガスクロマトで分別定量した.結果:十二指腸液中glyco-CDCAのみが対照に比し有意に低下し,P-Sテスト中max. Bicarb. conc.とglyco CDCA%が有意の相関を示した.膵炎例と健常者のG/T比はそれぞれ2,91±0.4,1.91±0.7であつた.膵炎例の胆汁酸排泄量が有意に増加し,うちCDCA排泄量が有意に増加していた.脂肪酸排泄量は,膵炎例で有意の増加を示したが,%OHFAについては両者間に有意の差を認めなかつた.
    以上の結果から,慢性膵炎患者には軽度の胆汁酸吸収不良があると考えられた.しかし,%OHFAが増加していないのでbacterial overgrowthの存在はないものと考えられた.
  • 玉井 洸三
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1777-1787
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の膵管系変化の進展様式を解明する目的で,内視鏡的膵管造影像を1年以上の経過で観察しえた慢性膵炎30例,慢性膵炎疑診29例,非膵疾患16例を対象として検討した.慢性アルコール性膵炎およびその疑診例の多くは経過による膵管系変化の進展がみられ,主膵管の拡張および部分的狭窄は必ずしも従来考えられていたごとき固定的ないしは終局的所見ではなく,経過により拡張から狭窄へ,またこの逆の移行もある事を確めた.更に「高度」変化例では禁酒後にも膵管像は進行性変化を来した.他群では経過による変化例は少く,その程度も軽微であつた.慢性膵炎の膵管系変化の進展様式はアルコール性と非アルコール性とでは異る事を認めた.
  • 高安 幸生, 中尾 宣夫, 草野 智子, 和田 羊平, 三浦 行矣, 三浦 貴士, 坂本 清, 横野 重喜, 吉本 信次郎
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1788-1793
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵疾患診断に対するCT検査法は通常の横断断層像のみでは診断的価値が未だ低い.著者らはこれに画像再構成による矢状断層像および前額断層像を加えてその臨床的評価を試みた.使用機器はSomatom S. D.および画橡解析装置Evaluskop (Siemens社製)である.撮影は4mm幅スライスで,被写体移動間隙は3mm撮影時間は4.5秒である.未だ画質が良好とは言えない面もあるが,本法による膵の多方向からの観察は膵の立体的把握を一層容易にし,他臓器との位置関係をも明瞭にして画像診断能の向上に役立ち,また矢状断層像は膵体積測定にも有用と考えられた.
  • 山中 桓夫, 野上 和加博, 吉田 行雄, 井戸 健一, 関 秀一, 酒井 秀朗, 木村 健
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1794-1804
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵嚢胞が疑われた5例に超音波画像ガイドによる経皮的嚢胞穿刺術を施行した.本法は,1.嚢胞液の分析2.嚢胞造影3.嚢胞液排液による治療を目的とした.
    5例の最終診断は,2例が膵炎YT併発した膵仮性嚢胞,2例が膵嚢胞腺癌,1例が嚢胞様変化を示した胃癌のリンパ節転移であつた.
    採取嚢胞液の生化学的検査および細胞診は,従来困難とされていた膵嚢胞性病変の質的診断に対し有用であつた.しかし,膵嚢胞腺癌と胃癌リンパ節転移例の鑑別は困難であつた.嚢胞造影は嚢胞の形状,位置を明確にする上で優れていた.膵仮性嚢胞に対する嚢胞液排液による治療は,再貯留が認められ現在満足すべき結果を得ていない.
  • 藤沢 和明, 上野 裕己
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1805-1809
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 原武 譲二, 太田 五六, 藤村 昭夫, 上野 敏男
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1810-1813
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 池原 英夫, 池沢 健男, 赤坂 裕三, 川井 啓市
    1980 年 77 巻 11 号 p. 1814
    発行日: 1980/11/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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