1980 年 77 巻 9 号 p. 1369-1377
体質性黄疸および体質性ICG排泄異常症で,UDCA経口負荷後の血中消失と内因性胆汁酸の変動をGLCを用いて検討した.DJSの2例と間接型高ビリルビン血症の1例で,UDCA消失曲線に再上昇が認められた.RSの消失曲線は,抛物線状に減衰するものと,比較的健常者に近い消失を示す2つのタイプがみられた.体質性ICG排泄異常症では,ピークを形成した60分以後の消失が遅延していた.UDCAの血中濃度は同一病態でも大きな差があり,また,内因性胆汁酸の変動には一定の傾向がみられなかつた.新たに血中に見出された3β,7β-コラン酸の濃度は,体質性ICG排泄異常症を除いて正常範囲にあり,経時的変動は認められなかつた.