1981 年 78 巻 8 号 p. 1568-1576
著者は雑種成犬を用いて,対照犬,幹迷切犬,交感神経節切除犬,幹迷切兼交感神経節切除犬,両側副腎摘出犬の5群を作成し,さらに対照犬のインスリン低血糖刺激下での副腎最高エピネフリン分泌量を測定した.インスリン低血糖刺激下での血清ガストリン反応と血漿エピネフリン反応はパラレルな関係を示したが,両側副腎摘出犬では両者とも抑制された.副腎最高エピネフリン分泌量を,20分間静脈内に持続注入すると,血清ガストリン反応と血漿エピネフリン濃度は有意な正の相関関係を示した.この血清ガストリン反応はプロプラノロールにより抑制された.インスリン低血糖による血清ガストリン反応は主に副腎由来のエビネフリンの作用による.