日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
78 巻 , 8 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 小原 勝敏
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1555-1567
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    切除胃641例の組織学的検索の結果,リンパ組織の増生(LH)が91例にみとめられた.そのうち,いわゆるRLHが20例で,あとの71例は,UI-IVの潰瘍45例と陥凹型胃癌26例にみとめられたもので,LHの範囲は,潰瘍と癌病巣に一致し,反応性のLHと考えられた.
    反応性LHは,(1) 潰瘍では,線状と帯状にみられ,そして,潰瘍底および固有筋層におけるLHの存在は,潰瘍の難治性と密接な関係にあつた.(2) 癌では,陥凹型胃癌にのみみとめられ,そして,その肉眼型,組織型,浸潤形式により,それぞれ特徴的パターンがみられた.
    いわゆるRLHと異なるこれらの反応性LHは,潰瘍および癌の特殊型であり,1つの病態群(LH群)と考えられた.
  • 若林 厚夫
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1568-1576
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    著者は雑種成犬を用いて,対照犬,幹迷切犬,交感神経節切除犬,幹迷切兼交感神経節切除犬,両側副腎摘出犬の5群を作成し,さらに対照犬のインスリン低血糖刺激下での副腎最高エピネフリン分泌量を測定した.インスリン低血糖刺激下での血清ガストリン反応と血漿エピネフリン反応はパラレルな関係を示したが,両側副腎摘出犬では両者とも抑制された.副腎最高エピネフリン分泌量を,20分間静脈内に持続注入すると,血清ガストリン反応と血漿エピネフリン濃度は有意な正の相関関係を示した.この血清ガストリン反応はプロプラノロールにより抑制された.インスリン低血糖による血清ガストリン反応は主に副腎由来のエビネフリンの作用による.
  • 寺野 彰, 松本 和則, 本木 達也, 村尾 覚, 上井 一男
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1577-1584
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    prostaglandin E2 (PGE2),cimetidine (CIM)およびgeranyl-geranyl-acetone (GGA)の胃粘膜関門におよぼす作用をラットのgastric chamberを用いて検討した.これらの薬剤はacetyl salicylic acid (ASA)やtaurocholic acid (TCA)による胃粘膜障害時のpotential differenceとH+およびNa+ion fluxの変化を抑制した.また胃粘膜表層細胞のjunctional complexがASAやTCAによる胃粘膜障害時に不鮮明になること,PGE2などによつてこの変化が軽減することを電顕的に観察した.これらのことからPGE2,CIMおよびGGAは表層細胞のjunctional complexに作用し,ASAやTCAによる胃粘膜関門の破壊を抑制すると考えられる.
  • 浜辺 順, 篠村 恭久, 高橋 修一, 黒川 正典, 姫野 誠一, 斎藤 良太郎, 野中 共平, 垂井 清一郎, 大西 昇, 平岡 栄一
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1585-1592
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵glucagon(GL)の消化管運動抑制作用に着目し,高齢者の上部消化管X線検査の前処置剤としての有効性を,butylscopolamine bromide(BB)と対比した.予備試験として健康成人男子9例に対し上部消化管X線検査を施行し,二重盲検交叉法によりGLlmgとinactiveplacebo(PL)の筋肉注射による比較試験を行つた所,GLに推計学的に有意の上部消化管運動抑制作用を認めた.そこで,年齢64~90歳(平均77歳)の高齢者28例に対し,GLlmgおよびBB20mg筋肉注射の比較試験を同様の二重盲検交叉法にて行なつた.GLはBBと全く同等の消化管運動抑制作用を示し副作用の出現はBBに比し低率であつた.したがつて上部消化管X線検査を施行する上で,BBの副作用を考えるとGLは高齢者ではより有用な前処置剤である.
  • 布出 泰紀, 正宗 研, 松本 恒司, 大柴 三郎
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1593-1598
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Balance study法は,最も一般的な吸収試験法である.著者らは,これに代る方法として,1回の糞便中脂肪量を標識物質radio-opaque pellet (ROP),あるいはpolyethylene glycol (PEG)の値で補正し,1日糞便脂肪量を求める測定法を試み,balance studyの成績と比較検討した.成績;1) ある一定期間完全に蓄便することは実際にはきわめて困難である.2)1日に排泄される糞便は,必ずしも1日に摂取した食事を反映しない,3) 糞便中ROPとPEGとの問には密接な相関がみられる,4) 1回の糞便中脂肪量をROP,あるいはPEGで補正した1日糞便脂肪量は,4日間蓄便法による成績と高い相関を示した.したがつて,著者らの方法は,従来のbalance studyに代る糞便脂肪測定法といえる.
  • 林 伸行, 森瀬 公友, 大舘 俊二, 西川 久和, 吉田 均, 林 靖, 恒川 次郎, 加藤 肇, 加藤 義昭, 桑原 敏真, 水野 直樹 ...
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1599-1605
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎35例,クローン病10例の合併症について検討した.腸管合併症として大量出血,中毒性巨大結腸,穿孔,前癌病変,痩孔形成,狭窄,肛門病変を認め,腸管外合併症として皮膚粘膜病変,関節脊椎疾患,肝障害,貧血,低蛋白血症等を認めた.潰瘍性大腸炎では重症例,病変範囲の広いものに合併症が多く認められた.クローン病では低蛋白血症は小腸クローン病に多く,肛門病変は大腸に病変のあるクローン病に多かつた.腸管合併症,腸管外合併症ともに潰瘍性大腸炎,クローン病両疾患に共通な合併症が多く認められた.
  • 田中 孝, 河村 寛, 東儀 宣哲, 辻 守康, 平林 直樹, 山田 博康, 宮地 幸隆, 三好 秋馬
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1606-1612
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Ascaris suum specific protein (ASP,豚蛔虫特異蛋白)に対するRadioimmunoassay (RIA)法を用いてラット大腸他各臓器内ASP類似物質の存在とその生化学的特徴について検討した.ラット大腸,小腸,胃の各粘膜および肝,腎,肺,心の細胞質成分を抽出精製し,おのおののRIAにおける希釈曲線とASPの標準曲線を比較すると両者の間には平行性が認められ,これらの細胞質成分内に免疫学的にASPと類似する物質が存在することが推定された.ASP類似物質は大腸粘膜細胞質に最も多量に存在し凍結乾燥重量比で肝,小腸の約6倍,その他の臓器と比較すると10倍以上の高濃度で含まれていた.大腸粘膜細胞質成分をSephadex G-100で精製するとASP類似物質は約68倍純化され,さらにこの精製大腸成分を12.5% T polyacrylamide gelで分析すると大腸粘膜内ASP類似物質はASPと同一部分に泳動され,ASPとほぼ同じ分子量(約15,000)および電荷を持つことが示された.
    潰瘍性大腸炎患者血清中に高ASP値が高頻度に観察されることを既に報告してきたが,その一因としてこのような大腸粘膜内のASPと極めて類似した物質が大腸の炎症によつて血中へ遊出することが示唆された.
  • 松村 高勝, 佐藤 信紘, 房本 英之, 川野 淳, 岸田 隆, 斉藤 光則, 目連 晴哉, 宮本 岳, 鎌田 武信, 阿部 裕, 末松 俊 ...
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1613-1617
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性肝疾患患者の肝組織過酸化脂質値と血清過酸化脂質値を測定し,両過酸化脂質値の間の関連を各肝疾患で検討した.両過酸化脂質値の間に相関関係の認められる疾患と認められない疾患があつた.正常肝,アルコール性脂肪肝,慢性非活動性肝炎ならびに血清アルブミン値が正常の肝硬変のいずれの患者でも血清過酸化脂質値が肝組織過酸化脂質値に正の相関関係を示した.このことから肝の過酸化脂質が血液中へ分泌されていることが推測された.他方,低アルブミン血症を呈した肝硬変患者や肝の炎症が著しい慢性活動性肝炎患者では両過酸化脂質値の間に相関関係が認められなかつた.アルコール性脂肪肝患者では肝組織過酸化脂質値の著しい上昇があり,アルコール性肝障害への関与が考えられた.
  • 中沼 安二, 田中 良則, 太田 五六, 土井下 建治
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1619-1627
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    原発性肝癌(肝細胞癌HCCと肝内胆管癌CCC)の癌組織内におけるα-fetoprotein(AFP),α1-anti-trypsin(AAT), ferritinおよびsecretory component(SC)を,酵素抗体法(PAP法)により検討した.AFPは,穎状型,封入体型として35.7%に出現したが,CCCでは認められなかつた.AATは,HCCでは92.3%と高率に出現したが,CCCでは33.3%と低率であつた.その出現様式として,穎粒状型,封入体型,管腔型および分泌液型がみられ,HCCではこれら4型がみられたが,CCCでは管腔型と分泌液型だけだつた.ferritinは,穎粒状型としてみられ,HCCの57.3%に,CCCの33.3%にみられた.SCは,HCCの57.3%,CCCの83.3%にみられ,CCCでは胞体型と封入型がしばしぼみられたが,HCCでは分泌液型が高率であつた.また,HCCの大きさ,分化度と,HCC内における上記蛋白の出現率との間に,一定の傾向はみられなかつた.
  • 溝口 靖紘, 阪上 吉秀, 志波 孝, 東森 俊博, 中尾 昌弘, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 森沢 成司
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1628-1634
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    急性B型肝炎における肝内胆汁うつ滞の発生機序にリンホカインに含まれる催胆汁うつ滞因子が関与する可能性について検討した.(1) 本症患者の未梢血リンパ球にHBs抗原または肝特異抗原をそれぞれ添加して48時間in vitroで培養し,その培養上清をSephadex G-75カラムで分画した.ついで,その一定の分画を正常ラットの腸間膜静脈に注入して胆汁排泄におよぼす影響を検討した.その結果,いずれの場合にも胆汁排泄の著明な減少が見られ,肝組織を電顕的に観察すると,毛細胆管の拡張,microvilliの減少または消失などが認められた.(2) 本症患者の発症初期における血清をSephadex G-75カラムで分画し,前述と同様の一定の分画をラット腸間膜静脈に注入した.その結果,(1) の場合と同様に胆汁排泄量の減少および肝の組織学的変化が見られた.なお,対照として肝外閉塞性黄疸患者の血清分画を用いた場合には胆汁排泄量の減少は全く認められなかつた.
    これらの結果は,ウイルス性B型肝炎のcholestatic hepatitis typeにおける肝内胆汁うつ滞の発生機構には,既報の薬物アレルギー性肝内胆汁うつ滞におけると同様にリンホカインに含まれる催胆汁うつ滞因子が関与する可能性を示唆している.
  • 小坂 義種, 萩原 正芳, 明田 昌三, 爲田 靱彦, 辻田 悦治, 奥田 喜朗, 塩見 芳朗, 高瀬 幸次郎, 橋爪 勝, 北島 俊夫, ...
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1635-1643
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    porphyria cutanea tarda(PCT)の6例を経験し,その臨床像,腹腔鏡下肝生検所見および電顕所見などについて若干の考察を加えて報告する.症例は41歳から61歳迄の男子6例である.全例1日日本酒3合以上15年から35年の酒歴が認められた.尿中および糞便中のポルフィリン体は全例に増加がみられた.腹腔鏡では肝小葉に一致して青色斑点が観察され,肝細片の紫外線照射では全例に赤色蛍光が確認された.肝生検標本では肝細胞質内に針状封入体が認められ,電顕では3型の針状封入体が確認されたほかに,ミトコンドリアは変形•腫大し,その基質内にparacrystalline inclusion bodyとlarge electron dense granuleがみられ,S-ERも肥大•増生しているようであつた.
  • 高橋 逸夫, 竹内 真人, 中屋 光雄, 根岸 健, 伊藤 漸, 中村 卓次
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1644-1649
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    意識下5頭のイヌを用い,force transducerを慢性縫着することにより,胆嚢,胃および十二指腸の空腹期の収縮運動を測定した.空腹期における胆嚢の収縮運動は十二指腸の空腹期収縮(interdigestive migrating contractions, IMC)のphase IIの初期に一致することが明らかとなつた.その平均収縮力は6.5±0.779であり,食後期の収縮力のほぼ80%に達した.さらに合成motilinの静脈内持続投与は胃と十二指腸にIMCを出現させ,胆嚢にも,自然に出現するのと同様な収縮運動を,十二指腸の運動の初期に出現させた.
    本研究において胆嚢は空腹期といえども収縮しており,その収縮運動は十二指腸運動のphase IIに一致することが明らかとなつた.
  • 永田 和之, 山本 亘, 渡辺 嘉久, 足立 穣一, 渡辺 正敏, 野原 秋男, 中田 正久, 岩崎 高明, 宮本 滋, 村井 俊介, 阿部 ...
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1650-1657
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットをコリン欠乏•低蛋白食餌で飼育し,DL-エチオニン腹腔内投与による実験的膵炎モデルの作成を試みた•1)コリン欠乏•5%含有蛋白食餌飼育下で100mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,腹腔内に注射した.膵は急性出血性•壊死性膵炎像を示した.2)コリン欠乏•15%含有蛋白食餌で6週間飼育し,その間に60mg/100g.体重のエチオニンを1日2回,週2日,腹腔内に注射した.膵は軽度~中等度の慢性膵炎像を示した.3)飼育餌料中の蛋白含有量およびエチオニンの投与量,投与期間を変えることにより,様々なタイプの膵炎モデルの作成が可能となつた.また本法による膵炎作成は,従来より行なわれているエチオニン膵炎に比べ確実性が高かつた.
  • 栗原 毅, 北沢 栄次, 柴田 泉, 藤原 純江, 菱沼 義興, 新田 義朗, 町井 彰, 村上 義次, 上地 六男, 横山 泉
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1658-1662
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 林 繁和, 江間 幸雄, 市川 和男, 小林 英治, 小池 光正, 吉富 久吉
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1663-1667
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 今野 哲朗, 玉置 明, 柿田 章, 品田 佳秀, 上林 正昭, 佐藤 直樹, 高橋 毅, 葛西 洋一, 名取 孝, 菊地 由生子, 手島 ...
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1668-1672
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 中谷 勝紀, 宮城 信行, 江崎 友通, 白鳥 常男, 小西 陽一
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1673
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 三重野 寛治, 黒沢 努, 四方 淳一
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1674
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 小坂 義種, 為田 靱彦, 西村 晃, 藤本 昌雄
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1675
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 安部 宗顕, 原 泰寛, 清成 秀康, 瀬尾 洋介, 大町 彰二郎, 古沢 元之助, 野辺 奉文, 麻生 宜則
    1981 年 78 巻 8 号 p. 1676
    発行日: 1981/08/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top