日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ビリルビン石灰石の溶解および崩壊に関する基礎的研究
とくに溶解剤のヒト胆汁中での効果と胆管洗浄について
高沢 欣煕鈴木 範美高橋 渉植松 郁之進
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1982 年 79 巻 3 号 p. 836-844

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抄録

ビリルビン石灰石切片の溶解・崩壊並びに溶解剤の毒性を検討した.ビリルビン石灰石切片はEDTA・4Na単独添加胆汁中で容易に溶解した.また,EDTA・4Na,ウルソ並びにヘパリンの三剤併用胆汁中ではEDTA・4Na単独添加胆汁より溶解が促進されるものとほぼ同等のものとあつた.三剤併用胆汁のpHは8.72±0.15でEDTA・4Na単独添加胆汁よりは弱塩基性であつた.雑種成犬の急性毒性実験では,EDTA・4Na溶液に対し組織学的に粘膜の脱落が軽度認められた.慢性胆管拡張犬では,4週間の胆道洗浄期間中肝機能検査と血清カルシウムは異常を認めず、また組織学的には胆嚢総胆管に異常を認めず、中毒性肝炎の所見も認められなかつた.

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