日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
1-Phenyl-1-Hydroxy-n-Pentaneの反復経口投与ラットの膵外分泌機能
大木 篤大槻 眞坂本 長逸尤 芳才馬場 茂明
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1982 年 79 巻 3 号 p. 845-849

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抄録

内因性セクレチンの連続的な分泌増加の膵外分泌機能に及ぼす影響を検討した.内因性セクレチン分泌を刺激させる物質として1-phenyl-1-hydroxy-n-pentane(以下PHP)を用い Wistar 系雄性ラット体重1kg当りPHP500mgを経口ゾンデを用いて1日1回20日間および1日2回10日間連続投与し,膵重量,膵アミラーゼ含量および膵外分泌能力を in vitro 摘出膵潅流標本系を用いて測定した.PHP投与群の膵重量,膵アミラーゼ含量は,同量の生理的食塩水を投与したコントロール群と差がなかつた.また膵液分泌量,膵アミラーゼ分泌量は基礎分泌ならびに0.1ng/mlのセルレイン刺激に対する反応のいずれにおいてもPHP群はコントロール群と差がなかつた.PHPはセクレチンを分泌させ膵外分泌反応を刺激するが,1日1回20日間,1日2回10日間の投与では,膵重量及び膵アミラーゼ含量と外分泌機能には影響を与えなかつた.

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