日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
79 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 森野 一英
    1982 年 79 巻 3 号 p. 765-771
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    6ヵ月齢雄ビーグル犬14頭に,N-エチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン(ENNG)水溶液を飲料水とし,100μg/mlまたは150μg/mlの濃度で5~9ヵ月間投与した.14頭中8頭に食道に扁平上皮癌が発生し,4頭に異型上皮のみが発生した.投与条件と発生病変の関係をみると,150μg/ml,6ヵ月または100μg/ml,8~9ヵ月投与が扁平上皮癌を作製するのに適当であると思われた.特に早期癌の作製には,100μg/ml8ヵ月投与が適当であつた.癌を発生させず,異型上皮のみを作製するには,100μg/ml,6ヵ月投与が適当であつた.ENNGの投与濃度および期間を設定することにより,ビーグル犬の食道に癌や異型上皮を選択的に作製することが可能となつた.
  • 坂上 博
    1982 年 79 巻 3 号 p. 772-781
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃液分泌に及ぼす急性肝障害の影響を観察する目的で,急性肝炎18例につき,その黄疸期,寛解期の両期に胃液検査を施行し,同一症例で酸,ペプシン分泌の変化を観察した.その結果,急性肝炎黄疸期においては,寛解期に比較してMAO, PAO,最高酸濃度が有意に高値を示し,酸分泌の亢進状態にあることが観察された.その原因として,血清ガストリン,血漿ヒスタミン,迷走神経の3因子のそれぞれについて,胃液分泌に及ばす影響の有無を検討したところ,酸分泌亢進は主として迷走神経緊張性亢進によるものであり,ヒスタミン,ガストリンの関与は乏しいことを示唆する成績を得た.
  • 網岡 逸男, 有馬 暉勝, 岡本 伸, 長島 秀夫
    1982 年 79 巻 3 号 p. 782-789
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットにphenylbutazoneを経口的に投与し,惹起された実験的潰瘍性病変と,胃粘膜内因性Prostaglandin(PG)の関連を経時的に検討した.PGの測定は,抽出,ケイ酸カラム分離後,PG (A+B)およびPGE分画をアルカリ処理によりPGBに変換し,抗PGB1血清を用いたRIA二抗体法により行なつた.正常controlラットのPGEはPG (A+B)に比較すると約10倍の高濃度が認められた.phenylbutazone投与6時間後のPGEおよびPG (A+B)はcontrol群に比して共に著明に低下(p<0.001)していた.54時間後でもなお低値(p<0.001)が続いており,急性胃粘膜病変は修復しつつあるものの,胃粘膜PGでみる限りその回復はみられず,病変の修復とは解離が認められた.またphenylbutazoneによる胃粘膜障害に対し抗潰瘍剤であるproglumideを追加投与し,その潰瘍治癒促進作用が胃粘膜PGの産生亢進によるものであるか否か検討を行なつたが,内因性PGの産生増加は認められなかつた.以上の成績からphenylbutazone障害では,内因性胃粘膜PGの低下が急性胃粘膜病変の成因と密接に関連していると考えられた.しかしその修復過程においては,必ずしも内因性胃粘膜PGの増加を伴うものではなかつた.
  • 三木 宏
    1982 年 79 巻 3 号 p. 790-797
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃粘膜組織activatorの微量測定法を検討確立し,次いで生検胃粘膜組織について,胃潰瘍における組織activator活性を健常胃,潰瘍形成性胃癌と対比検討するとともに,治療経過による推移を検索し,以下の成績を得た.
    (1) 胃粘膜5mg中の組織activatorの抽出を行い,低濃度fibrin寒天平板法を適用することにより,再現性の高い微量測定法を開発した.
    (2) 胃潰瘍における胃粘膜組織activator活性は,健常胃に比し有意の充進を示し,とくに活動期で顕著であった.また同一症例による追跡では,加療とともに正常化傾向を示した.
    (3) 潰瘍形成性胃癌では,胃粘膜組織activator活性の亢進を認めなかつた.
  • 冨田 作
    1982 年 79 巻 3 号 p. 798-807
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血漿VIPのラジオイムノアッセイを確立し,正常者および各種疾患患者におけるVIPの分泌動態と分泌機序について検討した.正常者(41例)の空腹時血漿VIP濃:度は86±26pg/ml(平均値±標準偏差)で,年齢および性による差はなかつた.今回測定しえた消化性潰瘍,慢性下痢症,肝硬変症.悪性腫瘍などの各種疾患患者41例は,正常者と同じ範囲内の値を示した.正常者に各種負荷試験を行ないVIPの分泌反応を検討すると,混合食(meat soup),タウロコール酸ナトリウム,ウルソデオキシコール酸の経口投与および十二指腸酸性化はVIPの放出を促進したが,ブドウ糖,脂肪,カルシウム,膵ホルモンなどの投与では影響はみられなかつた.一方,十二指腸潰瘍患者にウルソデオキシコール酸を経口投与すると,血漿VIP濃度は4例中1例に増加を認めたのみで,3例では不変もしくは減少した.ヒト十二指腸粘膜を用いた周辺灌流実験では,pH2溶液ならびにタウロコール酸ナトリウム溶液は,十二指腸粘膜よりのVIP放出を刺激した.
    以上の成績は,食事摂取によりVIPの放出が刺激されるがその機序の少なくとも一部として,食後に分泌される胃酸および胆汁酸が直接十二指腸粘膜を刺激して,VIP分泌を促進することを示唆する.
  • 宗像 良雄
    1982 年 79 巻 3 号 p. 808-819
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Chang肝細胞および継代培養ヒト肝癌細胞に対するヒトリンパ球の各種cytotoxicity (NK, ADCC, CMC)を超微形態学的に検討し,次の結果が得られた.各種cytotoxicityのいずれの場合においても,リンパ球がcytotoxicityを発揮するためには標的細胞への接着が必要であり,特に両細胞の形質膜表面を被うruthenium red-positive surface coatsの接着が必須であつた.NK cel1はvillouslymphocyteで直径5.5~6.0μを,K cellはrelatively villous lymphocyteで4.4~4.8μを,CTLはsmooth lymphocyteで6.0~6.3μを示した.NKやADCCではpoint contact,CMCではbroad contactが多くみられた.emperipolesisは細胞障害後期に多く観察され,特にNKやADCCではよくみられ,重要な細胞障害性結合様式と考えられた.
  • 吉次 通泰, 前原 操, 菅谷 仁, 原田 尚
    1982 年 79 巻 3 号 p. 820-826
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肥満度+15%以上で糖尿病,常習飲酒家を除外した肥満者2F3例(男14例,女9例)につき,肝脂肪量と各種血清ホルモン,特にインスリン(IRI)との関連性を検討した.
    肝脂肪量は,空腹時血糖値・50gOGTT時の血糖値総和(∑BS)とは相関せず,空腹時血清IRI値・50gOGTT時のIRI総和(∑IRI)・ΔIRI/ΔBS(30分値)あるいは∑IRI/∑BSとの間に有意の相関が認められた.さらに,肝脂肪量は血清FFA値との間にも有意の相関がみられ,肥満者における肝脂肪化にとり末梢組織のインスリン感受性の低下による高インスリン血症が重要と考えられた.なお,血清コルチゾール,サイロキシン,成長ホルモンの肝脂肪化に対する影響は認められなかつた.
  • 五月女 直樹, 唐沢 英偉, 三木 亮, 上野 高次, 大藤 正雄, 土屋 幸浩, 木村 邦夫, 税所 宏光, 奥田 邦雄
    1982 年 79 巻 3 号 p. 827-835
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    対照群40例,肝疾患黄疸群33例,閉塞性黄疸群142例,胆道疾患無黄疸群83例を対象として超音波リニア電子スキャンにより胆道の超音波検査を行い,超音波リニア電子スキャンが胆管の描出に優れ,閉塞性黄疸の鑑別診断に有用であることを明らかにした.
    対照群について肝内外胆管が高率に描出され,肝外胆管径は5.5mm以下であつた.肝疾患黄疸群では対照群に比べ胆管拡張は見られず,閉塞性黄疸群では全例に著明な胆管拡張が見られた.胆道疾患無黄疸群では種々の程度に胆管拡張を認めた.閉塞性黄疸群では閉塞部位を判定するだけでなく,胆管閉塞端ならびに腫瘤あるいは胆石の描出により胆管閉塞性病変についても診断することが可能であつた.
  • 高沢 欣煕, 鈴木 範美, 高橋 渉, 植松 郁之進
    1982 年 79 巻 3 号 p. 836-844
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ビリルビン石灰石切片の溶解・崩壊並びに溶解剤の毒性を検討した.ビリルビン石灰石切片はEDTA・4Na単独添加胆汁中で容易に溶解した.また,EDTA・4Na,ウルソ並びにヘパリンの三剤併用胆汁中ではEDTA・4Na単独添加胆汁より溶解が促進されるものとほぼ同等のものとあつた.三剤併用胆汁のpHは8.72±0.15でEDTA・4Na単独添加胆汁よりは弱塩基性であつた.雑種成犬の急性毒性実験では,EDTA・4Na溶液に対し組織学的に粘膜の脱落が軽度認められた.慢性胆管拡張犬では,4週間の胆道洗浄期間中肝機能検査と血清カルシウムは異常を認めず、また組織学的には胆嚢総胆管に異常を認めず、中毒性肝炎の所見も認められなかつた.
  • 大木 篤, 大槻 眞, 坂本 長逸, 尤 芳才, 馬場 茂明
    1982 年 79 巻 3 号 p. 845-849
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    内因性セクレチンの連続的な分泌増加の膵外分泌機能に及ぼす影響を検討した.内因性セクレチン分泌を刺激させる物質として1-phenyl-1-hydroxy-n-pentane(以下PHP)を用い Wistar 系雄性ラット体重1kg当りPHP500mgを経口ゾンデを用いて1日1回20日間および1日2回10日間連続投与し,膵重量,膵アミラーゼ含量および膵外分泌能力を in vitro 摘出膵潅流標本系を用いて測定した.PHP投与群の膵重量,膵アミラーゼ含量は,同量の生理的食塩水を投与したコントロール群と差がなかつた.また膵液分泌量,膵アミラーゼ分泌量は基礎分泌ならびに0.1ng/mlのセルレイン刺激に対する反応のいずれにおいてもPHP群はコントロール群と差がなかつた.PHPはセクレチンを分泌させ膵外分泌反応を刺激するが,1日1回20日間,1日2回10日間の投与では,膵重量及び膵アミラーゼ含量と外分泌機能には影響を与えなかつた.
  • 小口 寿夫, 長田 敦夫, 平林 秀光, 竹内 健太郎, 田村 泰夫, 上野 一也, 嶋倉 勝秀, 川 茂幸, 佐々木 康之, 門野 聡, ...
    1982 年 79 巻 3 号 p. 851-857
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性石灰化膵炎53例を最短1年,最長16年にわたつてfollow-upしたところ,膵癌の発生は皆無であつたが,膵以外の悪性腫瘍の合併を5例(9.4%)に認めた.また別に膵癌と膵石の共存する4例を経験したが,うち3例の膵石の性状は融合状・鋳型状の特徴ある大結石であつた.
    最近10年間(1969-1978年)の日本病理剖検輯報から211例の膵石症を集計したところ,そのうち31例(14.8%)に膵癌を,55例(26.2%)に膵以外の悪性腫瘍を高頻度に認めた.
    膵石症をfollow-upする場合,膵内・外悪性腫瘍の合併についても留意する必要がある。
  • 水野 理文, 早川 哲夫, 野田 愛司, 近藤 孝晴, 榊原 啓, 片田 直幸
    1982 年 79 巻 3 号 p. 858-863
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    pancreozymin secretin (PS)試験時の十二指腸液中chymotrypsin (CHT)活性をglutaryl-L-phe-nylalanine-p-nitroanilide (GPNA)を基質とし,diazo反応にて発色させ測定した.GPNAはbenzoyl-L-tyrosine-ethylester (BTEE)を基質とじた方法と良く相関し,また,測定精度,回収率,特異性に優れ,しかも簡便で多数検体を一度に測定できた.十二指腸液中CHTは37°C15分,20°C30分では有意に失活したが,0°C120分,-20°C1週間では有意な失活はなかつた.PS試験時のCHTの十二指腸液中排出量はamylase,trypsinと有意に相関した.膵癌3例ではamylaseよりCHT排出量の低下が著明であつた.
  • 塚越 茂, 下田 敏彦, 柄沢 勉, 志方 俊夫
    1982 年 79 巻 3 号 p. 864-871
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    B型肝炎ウイルス(HBV)はヒトおよび霊長類の肝細胞においてのみ特異的に増殖する臓器特異性の高いウイルスと考えられていた.今回著者らは血中HBs抗原陽性症例38例の剖検膵およびチンパンジー剖検膵1例を対象に免疫組織学的方法により検索した結果,21例の膵外分泌腺細胞にHBs抗原の陽性所見を得,また6例においてはHBs抗原の陽性所見も得る事ができた.これらの陽性所見は特異的であり,この事はHBVが肝細胞のみならず膵外分泌腺細胞内にも局在し,さらには増殖する可能性も示唆するものと思われる.
  • 屋嘉比 康治, 和泉 孝志, 芦田 映直, 斉藤 栄一, 北村 達也, 森 治樹, 関 敦子, 松尾 裕, 小坂 樹徳, 竹中 栄一
    1982 年 79 巻 3 号 p. 872-875
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 山本 富一, 岡崎 和一, 森安 史典, 塩村 惟彦, 洲崎 剛, 兼松 雄象, 中村 義徳, 小橋 陽一郎
    1982 年 79 巻 3 号 p. 876-879
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 山内 圭子, 吉崎 和幸, 難波 龍雄, 東野 一彌
    1982 年 79 巻 3 号 p. 880-884
    発行日: 1982/03/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top