日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
消化性潰瘍の経過に及ぼす喫煙, 飲酒ならびにコーヒーの影響に関する検討
中村 孝司鎌上 孝子大国 篤史黄 沾伊藤 善志通糸数 憲二菅又 成雄鳥居 正男三宅 和彦山中 正己丹羽 寛文
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 80 巻 12 号 p. 2493-2503

詳細
抄録

消化性潰瘍の治療に当つて嗜好品をいかに取り扱うべきか, 今日でも不明確な点が多い. また潰瘍の経過に及ぼすこれらの効果についての検討もきわめて乏しい.
著者らは, 内視鏡的に経過を追跡しえた症例591例 (平均観察期間5年11カ月) を対象として, 喫煙, 飲酒, コーヒー摂取の潰瘍再発, 治癒に与える影響について検討を行つた.
その成績は次の通りである. 1. 喫煙は消化性潰瘍の再発率を統計的に有意に上昇させ, 明らかな悪影響を与えることが示された. また潰瘍の治癒率にもある程度の抑制効果が示された. 2. 飲酒およびコーヒー摂取は, 消化性潰瘍の再発率, 治癒率に大きな影響を与えなかつた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top