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荒川 正博, 福田 一典, 野田 岳水, 鹿毛 政義, 中島 敏郎, 永田 一良, 川口 新一郎, 向坂 健夫, 江口 敏, 豊永 純, 外 ...
1983 年 80 巻 12 号 p.
2485-2492
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法施行後の11剖検例に対して 胃•食道壁の詳細な病理学的検討を行い, 次のような結論を得た. 1. 多くの症例で食道壁における組織障害は強く, 深くて広い潰瘍範で, 炎症細胞浸潤は外膜までおよび縦隔炎もみられた. これらの変化はパオスクレー
®を用いた硬化療法例により強くみられた. 2. 静脈瘤内血栓形成は広範囲にみられ, これは薬剤の量というよりはむしろ組織障害の程度と関係しているように思われた. 薬剤の量が少なくても止血の目的を達している症例もみられた. 3. 今後, 治療後の多数症例の検討とともに治療効果のみられれた長期生存例の検討など十分な病態の解析を行い, 治療適応範囲を拡大すべきであろうと考えた.
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中村 孝司, 鎌上 孝子, 大国 篤史, 黄 沾, 伊藤 善志通, 糸数 憲二, 菅又 成雄, 鳥居 正男, 三宅 和彦, 山中 正己, 丹 ...
1983 年 80 巻 12 号 p.
2493-2503
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
消化性潰瘍の治療に当つて嗜好品をいかに取り扱うべきか, 今日でも不明確な点が多い. また潰瘍の経過に及ぼすこれらの効果についての検討もきわめて乏しい.
著者らは, 内視鏡的に経過を追跡しえた症例591例 (平均観察期間5年11カ月) を対象として, 喫煙, 飲酒, コーヒー摂取の潰瘍再発, 治癒に与える影響について検討を行つた.
その成績は次の通りである. 1. 喫煙は消化性潰瘍の再発率を統計的に有意に上昇させ, 明らかな悪影響を与えることが示された. また潰瘍の治癒率にもある程度の抑制効果が示された. 2. 飲酒およびコーヒー摂取は, 消化性潰瘍の再発率, 治癒率に大きな影響を与えなかつた.
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三崎 文夫, 林 恭平, 渡辺 能行, 川井 啓市
1983 年 80 巻 12 号 p.
2504-2511
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
嗜好品の摂取状況と潰瘍発症の関係を検討するため, 内視鏡検査直前にアンケート調査を行い, 男性胃潰瘍 (GU) 136例, 胃•十二指腸潰瘍 (GDU) 38例, 十二指腸潰 瘍(DU) 84例について, 発症前の煙草, アルコール, 香辛料, コーヒー, 紅茶, 牛乳の摂取状況を対照 (正常, 萎縮性胃炎) 65例と比較検討した. 症例全体での比較, 性•年齢でのマッチド•ペアによる比較, 2因子の組合せでの比較, 標準化相対危険度を検討し, 煙草がすべての潰瘍に強い危険因子であり, 香辛料がGUで, コーヒーがDUで, アルコールが他因子との組合せでGUの危険因子になりうることを認めた.
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ヌードマウス皮下移植100症例の移植成績および腫瘍重量倍加時間の検討
宮城 信行, 中谷 勝紀, 江崎 友通, 酒本 和則, 白鳥 常男, 高橋 精一, 丸山 博司, 江見 葉子, 小西 陽一
1983 年 80 巻 12 号 p.
2512-2519
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヒト胃癌100症例をヌードマウス皮下に移植し生着率および重量倍加時間について検討した. 生着 率は51% (51/100例) であつた. 組織型別の生着率は乳頭腺癌 (pap) が57% (8/14例), 管状腺癌 (tub) が59% (16/27例) 低分化腺癌 (por) が40% (19/47例) 膠様腺癌 (muc) が86% (6/7例), 印環細胞癌 (sig) が40% (2/5例) であつた. 倍加時間は生着51例中24例が算出でき5.6日から26.6日で平均13.5±5.6 日であつた. 組織型別の倍加時間は pap が7.9±2.6日, tub が16.8±6.6日, por が14.0±3.3日, muc が 13.9±2.8日, sig が12.8日であつた. 性, 年齢, Borrmann 型, 組織型の生着率および倍加時間におよ ぼす影響について多変量解析により分析した. その結果, これらは統計学的に有意な要因ではなかつた. 長期継代13例の初代の平均倍加時間は13.1±2.7日であり10代目のそれは9.4±2.5日であつた.
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血液粘度, 深部体温, 胃粘膜微小循環の関係
村上 元庸, 関 真理, 斉田 宏, 稲田 雅美, 三宅 健夫, 藤本 直規
1983 年 80 巻 12 号 p.
2520-2524
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
水浸拘束ストレス負下時における胃粘膜血流変動のメカニズムを血液粘度の面より検討した. 胃粘膜血流は水素ガスクリアランス法にて求め血液粘度は Wells-Brookfield 回転粘度計を用いて求めた. 水浸拘束下にてラットの結腸温は1時間以内に23°Cの水温と平衡状態に達した. In vitro においてラット静脈血を37°Cより23°Cに低下させると, ずり速度11.5, 23.0, 46.0, 115.0sec
-1にて平均血液粘度はそれぞれ有意に (p<0.05) 73, 57, 39, 46%増加した. 同様の血液粘度増加がストレス負荷3時間後のラット静脈血を用いて求めた場合も認められ, ストレス前の37°Cの状態に比し負荷後の23°Cにおいて各ずり速度で平均血液粘度は83, 48, 36, 34%の増加を認めた. 粘膜血流は, 血液粘度の増加とは逆に時間的に鏡像関係を示す, 有意の減少を認めた. このことは, 胃粘膜血流の減少に, 体温低下による血液粘度の増加が関与していることを示唆している.
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桑山 肇, 田代 義教, 池田 裕子, 竹内 勝啓, 富野 佳朗, 小橋 恵津, 阿部 政直, 松尾 裕, 本田 利男
1983 年 80 巻 12 号 p.
2525-2532
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
非ステロイド系消炎鎮痛剤の多くは, いろいろな消化管粘膜障害作用を有することが知られているが, 長期投与における病態像に関する検討は少ない. 我々は, ビランや潰瘍を発生させ得ない程度の濃度 (3mg/kg/day) のインドメサシンを4週間にわたつてラットに自由摂取させて, その胃•十二指腸粘膜細胞動態の変化について
3H-thymidine autoradiography により検討した. その結果, 胃底腺部では増殖細胞帯の拡大を伴う標識細胞の増加を認めたが幽門腺部, 十二指腸では変化を認めなかつた. このことは, インドメサシンの ulcerogenic action には消化管粘膜に対する直接障害作用が存在することを示すと共に, その長期投与では胃底腺部で adaptation が起きていることを示唆するものである.
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田代 篤信
1983 年 80 巻 12 号 p.
2533-2541
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
各種肝疾患487例の血清 ferritin を測定し, とくに6カ月以上経過を追跡しえた慢性肝疾患195例での変動を5型に分類し, それぞれの予後を検討した. 非活動性慢性肝炎のほとんどは正常範囲内変動を示したが, 活動性では正常範囲を越えて変動する例が多く, 高値持続例の2/3は肝硬変へ移行した. 非代償性肝硬変は代償性に比べて変動する傾向大で, 高値持続例の半数以上は死亡し, 予後の推定に有用と思われた. 肝細胞癌では, AFP低値例では診断的意義を有したが, 肝硬変の経過中発癌した例の大部分は正常範囲内の変動を示し, 早期診断の指標とはなりえず, 切除あるいは抗癌剤投与例での効果判定にも, AFPほど有用な指標とはいえなかつた.
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III. 活性化マクロファージによる肝細胞障害誘導に及ぼす性ホルモンの影響
溝口 靖紘, 沢井 寛子, 福井 美智留, 筒井 ひろ子, 新井 孝之, 池本 吉博, 宮島 慶治, 阪上 吉秀, 東森 俊博, 門奈 丈之 ...
1983 年 80 巻 12 号 p.
2542-2546
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
モルモットの腹腔滲出マクロファージ(mφ) を性ホルモンで処理し, その培養上清を分離肝細胞に加えて, 肝細胞における蛋白合成を指標として肝細胞障害を検討した. その結果, エストロゲンでmφ を処理すると, その培養上清中には肝細胞の蛋白合成を抑制する活性が認められた. しかし, このエストロゲンの作用は同時にテストステロンを添加することによつて抑制された. また, 高濃度のエストロゲンで処理したmφの培養上清には肝細胞障害因子の活性は検出されなかつたが, これに低濃度のテストステロンを同時に添加してmφを処理すると, その培養上清には肝細胞障害因子が有意に検出された.
以上の結果は, エストロゲンがmφを活性化して, 肝細胞障害因子の産生を促進すること, および, テストステロンがエストロゲンの作用を抑制することを示唆した.
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一戸 彰
1983 年 80 巻 12 号 p.
2547-2555
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
アルコール長期飲用者における肝病変の進展を知るために, 反復肝生検を施行した62症例について臨床病理学的に検討した. 25例は断酒により生化学検査, 組織学的所見何れも改善を認めた. 37例は飲酒を続け1年以上の間隔で反復肝生検を受けた. 18例の肝硬変例では隔壁が広くなる傾向をみた. 非硬変例19例中11例が持続飲酒により1年から7年2カ月で肝硬変に進展した. この11例では初回生検時に門脈域中心静脈間線維性結合(P-C結合)は8例, 肝細胞周囲性線維化は6例にみられた. 硬変化した11例中9例にそれらの経過中アルコール性肝炎を確認した. 初回生検時P-C結合を呈した症例は, 持続飲酒により比較的早期に硬変化する傾向をみた.
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亀田 幸男
1983 年 80 巻 12 号 p.
2556-2563
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝細胞癌を合併した場合の非癌部肝組織亜鉛の変動が診断的意義を有するか否かを検討するために肝細胞癌非合併の肝硬変や慢性肝炎の肝組織亜鉛量と, これらに肝細胞癌が合併した場合の非癌部肝組織亜鉛量を比較した. 方法は原子吸光法の他に亜鉛の局在を知るために組織化学的方法と分析電顕的方法を用いた. その結果, 肝細胞癌を合併した肝硬変, 慢性肝炎肝の非癌部肝組織亜鉛量は肝細胞癌非合併の肝硬変, 慢性肝炎肝に比べ有意に増加しており診断的意義がある. 特にAFP低産生肝細胞癌の中にも非癌部肝組織亜鉛の増加例が高率に存在した. 非癌部肝割面上の組織亜鉛の分布はほぼ均等で, 組織化学的には肝小葉の主に門脈域周囲に局在した.
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成因別の臨床像解析
辻 裕二, 古賀 俊逸, 井林 博
1983 年 80 巻 12 号 p.
2564-2573
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
当教室の肝硬変症例270例 (1971~1980年) を成因別に大酒家群 (A群=24.1%), ウィルス群 (B群=33.7%), 大酒家/ウィルス群(C群=8.9%), 原因不明群(D群=30.7%), 特殊型群(E群=2.6%) に分類しその臨床像を検討した. 大酒家群は15年前の当教室の調査より約10%の増加を示した.
理学所見ではA群でクモ状血管腫の出現頻度が高く, 肝腫が比較的顕著にみられた. 検査成績ではB群でGPT, TTTがA群に比し高く, GOT/GPT比は低かつた. 肝細胞癌合併率はA群18.5%, B群35.2%, C群45.8%, D群21.7%で, 特にC群でHBsAg陽性男性例では63.6%で, B群でのHBsAg陽性男性例34.1%に比し著明に高く, HBsAg陽性肝硬変症男性例においてアルコール多飲は肝細胞癌発生に対し促進的影響を与える可能性が示唆された.
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小林 敏生, 大藤 正雄, 炭田 正俊, 品川 孝, 常富 重幸, 宇野沢 隆夫, 宇梶 晴康, 守田 政彦, 木村 邦夫, 税所 宏光, ...
1983 年 80 巻 12 号 p.
2574-2583
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
直径5cm以下の小肝細胞癌26例に対して肝動脈塞栓療法 (TAE) を行い, その臨床経過を10例の非治療例と比較することにより, TAEの治療効果を検討した. また手術及び剖検例(TAE 5例, TAE時にマイトマイシンCの one shot 動注 (MMC) を併用したもの5例, MMCのみ4例, 術前無治療16例) の病理組織学的検索からもTAEの効果を検討した. 超音波, CT, AFPにより術後1.5カ月で判定したTAEの短期的効果は良好であつた. しかし非治療例との予後の比較では両者に差を認めなかつた. 病理組織学的検索では, TAE例において被膜内の癌占拠率は著るしく減少していたが, 被膜外の癌組織に対しては効果を認めなかつた.
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田村 利和, 川人 幹也, 和田 大助, 是松 秀樹, 国友 一史, 平井 勉, 古味 信彦, 露口 勝, 井上 権治, 八木田 旭邦, 相 ...
1983 年 80 巻 12 号 p.
2584-2587
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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大平 基之, 男澤 伸一, 久保 英機, 山野 三紀, 中沢 郁生, 林 英樹, 原田 一道, 水島 和雄, 岡村 毅與志, 並木 正義
1983 年 80 巻 12 号 p.
2588-2591
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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谷野 幹夫, 亀谷 富夫
1983 年 80 巻 12 号 p.
2592-2595
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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銅代謝を中心として
小澤 明美, 小笠原 寛, 小貫 誠, 斉藤 博文, 八田 善夫, 清水 盈行, 瀬戸 明, 諸星 利男, 高木 康
1983 年 80 巻 12 号 p.
2596-2600
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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福田 隆, 樋口 和秀, 佐藤 博之, 中村 肇, 山田 博明, 蝶野 慎治, 荒川 哲男, 小野 時雄, 小林 絢三
1983 年 80 巻 12 号 p.
2601
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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戸沢 辰雄, 里見 匡迪, 山村 誠, 下山 孝
1983 年 80 巻 12 号 p.
2602
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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坂本 昭雄, 確井 貞仁, 川村 功, 朱 〓杰, 徳元 伸行, 佐藤 博, 西島 浩
1983 年 80 巻 12 号 p.
2603
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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特に胆道上皮化生に関連して
田村 利和, 日野 昌雄, 三好 康敬, 宇高 英憲, 宮本 英之, 嵩原 裕夫, 古味 信彦, 松崎 孝世
1983 年 80 巻 12 号 p.
2604
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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戸松 成, 大井 至, 土岐 文武, 神津 忠彦, 竹内 正, 大野 義一郎, 青柳 晶彦, 並木 真生
1983 年 80 巻 12 号 p.
2605
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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船越 顕博, 中野 逸郎, 篠崎 博嗣, 木村 寿成, 井林 博, 浜岡 利之
1983 年 80 巻 12 号 p.
2606
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー