日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
石灰乳胆汁の臨床的検討
自験12例について
高山 哲夫加藤 活大佐野 博柴田 時宗本多 康希小川 裕小山 泰生武市 政之妹尾 知己神崎 正紀
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1983 年 80 巻 2 号 p. 194-202

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抄録

当院で経験された石灰乳胆汁12例を対象としその臨床像, 超音波検査像及びCT像について検討を加えた. 12例の男女比は1:11と女性優位であり平均年齢は48.8歳であつた. 12例中8例に結石嵌頓が1例は癌による胆のう管の閉塞が認められた. 残り3例は胆のう管の閉塞はまつたくなかつた. しかしそのうち1例は総胆管末端に結石嵌頓が認められた. 石灰乳胆汁の成分は全例が炭酸カルシウムであり乳嵌結石はコレステリン結石が多かつた. 石灰乳胆汁は超音波検査上やや弱い acoustic shadow を伴う胆のう内 strong echo として描出されたが結石との鑑別は容易ではなく本症の診断には石灰乳胆汁を胆のう内高吸収域として描出するCTが有用であると思われた.

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